三菱重工、英国に欧州の空調機器事業統括会社を設立
2013年1月25日 12:42
三菱重工業は25日、4月1日付で、欧州の冷熱事業を統括する新会社「Mitsubishi Heavy Industries Air Conditioning Europe, Ltd.(MHIAE:欧州三菱重工空調)」を英ロンドンに設立すると発表した。新会社は、三菱重工の欧州統括子会社から冷熱部門を分離・独立させて発足する空調機器専業の販売・サービス会社で、機動的な事業体制を構築し提案型の営業を展開することで重点市場での売り上げ拡大をはかっていく。
新会社は、三菱重工100%出資の欧州統括子会社Mitsubishi Heavy Industries Europe, Ltd.(MHIE:欧州三菱重工業、本社:ロンドン)の100%出資により設立。本社をヒースロー空港近くのストックリーパークに置き業務を開始する。
MHIEの冷熱部門が担当しているルームエアコン、パッケージエアコンの販売・サービスと、三菱重工の冷熱事業本部が直接手掛けているヒートポンプ給湯機や大型冷凍機などの販売・サービスを併せて継承し、全欧からロシアなどCIS(独立国家共同体)にわたる家庭用および業務用の冷暖房・給湯市場を積極的に開拓していく。
MHIAEは温水暖房設備の需要が大きい欧州市場で、ヒートポンプ給湯機など高効率機器の販売だけでなく、各種製品のショールームを兼ねたアフターサービスの講習を行う研修施設を新たに設置して顧客の使用環境や条件に合わせた最適な機器の組み合わせを紹介するなど、ソリューション型の提案型営業を強化する。
また、タイのバンコクに本社・工場を置く空調機器の生産拠点MACO社(Mitsubishi Heavy Industries-Mahajak Air Conditioners Co, Ltd.)とのサプライチェーンの直結化を行うことで商品供給の迅速化をはかり、変化が激しい市場環境に対応していく。
三菱重工は海外市場における冷熱事業の拡大のため、同社全体の地域統括会社から空調機器専業の販売・サービス会社を独立させることで販売体制の強化を順次進めており、MHIAE設立もその一環。2009年には豪州のシドニーにオセアニア地域を統括する三菱重工豪州空調(MHIAA)を設立したほか、中国では2010年に三菱重工空調系統(上海)有限公司(MHIAS)、2011年に現地の家電量販大手企業との合弁で家庭用エアコン販売の菱重家用空調系統(上海)有限公司(MHIRS)を設立し、成果を上げている。