ユニクロ、スペシャルオリンピックス冬季大会にウェア一式寄贈
2013年1月24日 11:00
オリンピックや各種W杯など、世界中を巻き込んで実施されるスポーツの祭典。こうした世界大会の中に、「スペシャルオリンピックス」と呼ばれる組織・大会があるのはあまり知られていないのではないだろうか。
スペシャルオリンピックスとは、知的障害のある人たちに様々なスポーツトレーニングとその発表の場である競技会を、年間を通じて提供している国際的なスポーツ組織のこと。1968年に、故ケネディ大統領の妹ユニス・シュライバーが設立し、1988年には国際オリンピック委員会(IOC)と「オリンピック」の名称使用や相互の活動を認め合う議定書を交わしている。
そのスペシャルオリンピックスの冬季世界大会が、今年1月29日~2月5日の日程で韓国のピョンチャン(平昌)、カンヌン(江陵)にて開催される。120ヶ国、地域から14900人が参加予定となっている同大会につきファーストリテイリング<9983>が、日本、韓国、シンガポールの選手のアスリートウェア一式を、それぞれの拠点で事業を展開するユニクロから各国の選手団へ寄贈すると発表した。提供されるアスリートウェアは、日本のユニクロから約1200枚、韓国のユニクロから約3200枚、シンガポールのユニクロから約500枚で、各国選手団のオリジナルデザインロゴが配されたエアテックダウンジャケットやフリースフルジップジャケット、ヒートテックフリースモックネックTなどが提供されるという。
近時、スポーツウェア市場は低価格カジュアル衣料チェーンに浸食されつつある。このことは、大手スポーツ用品メーカーであるミズノ<8022>の第2四半期決算において、ランニングブームなどの影響で他の分野は伸長しているにも関わらず、スポーツウェアに関しては3億円の減少となっている点にも表れているであろう。そして低価格カジュアル衣料チェーンの代表格といえるのが、ユニクロを擁するファーストリテイリングである。同社の経営戦略が上手いと言ってしまえばそれまでだが、こうした国際大会においてスポーツ用品メーカーが前面に出て来ないことに違和感を感じる人も多いのではないだろうか。スペシャルオリンピックス日本のナショナルパートナーに名を連ねるスポーツ用品メーカーはアディダスジャパンのみである。こうしたスポーツの国際大会や組織にもっと目を向けなければ、今後の安定した成長は難しくなってくるのではないだろうか。