三菱商事、ドイツで海底送電資産を取得 洋上風力発電で活用

2013年1月17日 11:33

 三菱商事は現在、欧州5ヶ所で海底送電インフラ事業を手掛けているが、今回総額400億円を投じ、ドイツの2ヶ所で新たに海底送電資産の事業権を取得すると、17日発表した。

 これに伴い、三菱商事が欧州7ヶ所(ドイツ4ヶ所、英国3ヶ所)で保有する海底送電資産は、送電容量ベースで約380万キロワット、ケーブル全長ベースでは約815キロメートルとなり、日本企業トップクラスの海底送電インフラ事業規模を維持することとなる。

 今回オランダ国営送電事業者であるTenneT Holding B.V.(テネット社)より、同社がドイツで保有する海底送電資産「ドルウィン2」 及び「ヘルウィン2」の事業権49%を約400億円(約3.4億ユーロ)で取得することを同社と基本合意した。

 テネット社と三菱商事は2015年3月までに両案件を完工することを目指す。完工後、両案件合計の総資産規模は2,000億円(約17億ユーロ)、送電容量は約160万キロワット、ケーブル全長は約265キロメートルとなる。テネット社と三菱商事は、両案件の海底送電線及び付随する洋上・陸上変電設備を約30年間保守・管理しながら、北海に建設予定の複数の洋上風力発電所からの送電を担っていく。なお、両案件には現時点で世界最高電圧(320kV)となる最新の直流送電技術を採用する。

 ドイツは、2020年までに電源供給に占める再生可能エネルギーの割合を、主に洋上風力の拡充により現在の17%から約35%に引き上げることを目標としている。海底送電インフラ事業は、洋上風力発電で作られた電力を需要地である陸上に確実に送電するという低炭素社会の実現に不可欠な機能を担うものであり、洋上風力発電の増加に伴い今後も市場の拡大が見込まれる。

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