【株価診断】オリンパス急伸、急落前の6.5合目に回復、足元業績では割高感

2013年1月11日 16:33

  オリンパス <7733> =売買単位100株の11日(金)株価は前日比81円高の1804円と昨年来高値を更新し不正経理問題発覚で急落する前の水準2800円程度に対し6.5号目まで回復した。

  2011年11月の歴史的な安値水準424円に対しては反発力は優秀である。本来なら長期間にわたる不正経理ということで上場廃止になってもおかしくないところだった。上場廃止が回避され、2012年3月期に最終損益で489億8500万円の赤字を出したものの営業損益、経常損益では黒字を計上、今3月期には最終損益が黒字転換見通し。

  「世界的シエアを持つ『内視鏡』の強いことが会社を救ったといえる」(中堅証券)。ソニーが出資して合弁会社を設立する。

  ただ、足元の業績対比では株価は割高感が強い。今3月期は前期比10.8%減収、営業利益7.0%増益、1株利益28.8円の見通し。配当は無配の予定。無配のうえに1株純資産は167.7円(2012年3月期)にすぎない。利回り採算には乗らないうえに予想PERは62.6倍、PBRにいたっては10.7倍という異常値である。「今期に限ってみれば明らかに割高。しかし、医療機器の将来性と海外比率が6割近くあり円安効果を見込めば先行きは有望」(同)という。

  実際、四季報・新春号では次期(2014年3月期)の1株利益を59.8円、年10円復配と予想している。

  信用買残の整理は進んでいるものの、これからチャートのフシ2000~2500円水準に近づけば、現物の売りものがかなり待ち構えているものとみられる。下値切り上げは見込めるものの、上値は徐々に重くなりそうだ。押し目買いの吹き値うりスタンスで臨みたい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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