新航路発表も、スカイマークは今年が正念場か

2013年1月10日 11:00

 日本初のLCCとなるピーチが就航し、日本航空(JAL)<9201>が再上場するなど何かと話題が多かった航空業界。こうした中、LCCと一般航空会社との間に位置するとも言えるスカイマーク<9204>が、年末年始にかけて様々な発表を立て続けに実施した。

 もっとも大きな発表は、昨年12月28日になされた関西国際発着便の休止であろう。現在スカイマークは関西国際空港を拠点に、「大阪(関西)-札幌(新千歳)」と「大阪(関西)-那覇」との2路線を運航している。この航路は2012年の3月に就航したところであるが、LCCの参入などにより競争環境が激化。収益性の改善が見込めないと判断したため2013年3月31日をもって休止するという。

 さらに同日には、新路線「那覇-石垣」を2013年4月20日から就航する計画であると発表している。しかしこの発表に対しては発表から2週間も経っていない1月9日に、就航を延期すると発表。その理由は、2013年3月開港の新石垣空港における同社の施設確保などにおいて調節に時間を要することが判明したためだという。この延期発表と同日、今年4月20日から新航路「仙台-札幌(新千歳)」「仙台-福岡」の就航を計画していると発表しているがその情報が霞み、前者が就航計画発表から間を置かずして延期となったことや就航日が未定なことなど、どこか地に足が着いていない印象を受けるのは気のせいであろうか。

 1月7日、航空会社各社から年末年始の利用率が発表されている。就航して初めての年末年始を迎えたピーチの12月21日から1月6日までの利用率の平均は、国内線で83.5%という結果を残している。一方で全日空(ANA)<9202>の国内線利用率は66.6%、JALは同67.7%となっている。ピーチの数字からすると大幅に低い利用率となっているが、ANAは前年よりも提供座席数も客数も増加しており、利用率は3.9%増加している。またJALについても、提供座席数は減少しているものの客数は増加しており、4.0%の増加となっている。こうした中スカイマークの搭乗率は73.0%と、こちらもLCCと一般航空会社の間となっている。しかしスカイマークは、2011年度の同期間の搭乗率は83.1%となっており、大幅に率を下げている。提供座席数を前年比116.4%へと増加させたこと対し、搭乗者数があまり伸びなかった状況が窺える。

 平成24年10月30日に発表された平成25年3月期第2四半期の決算発表では、売上高こそ前年同期を上回ったものの、営業利益は同26.8%減、経常利益同31.4%減、四半期純利益同33.7%減となっており、通期での業績予想も下方修正しているスカイマーク。この状況は、LCCの影響をまともに受けた結果と言えるであろう。こうした状況から脱却し、業績を回復させる端緒をつかむ一年とすることができるのか。同社の動向に注目が集まるところであろう。

関連記事

最新記事