【菜々美のマーケットにつぶやき】日本人のDNAを見直して良いところに磨きをかける

2013年1月9日 21:59

 元気の出てきた最近の株式マーケットです。「政権が代わると、これほどマーケットは変わるものでしょうか」、という声をよく耳にします。政府の掲げる、「縮小均衡の分配政策」から、「成長による富の創出」という180度開きのある政策が評価されているということだそうです。

 なんだか難しい表現ですが、わたし流にひとことで言うなら、「競争のない社会か、あるいは競争のある社会」かということになりそうです。1990年代のバブル当時は、アメリカ流の超競争社会によって、経済は発展しました。しかし、一方で成功者とそうでない人の格差が大きく開いて社会的にも問題視されるようなりました。このため、格差是正を掲げた民主党政権に私たちは政権を委ねました。しかし、非就業者は増加し、生活保護者が急増するなど、むしろ格差はさらに開いたといわれています。とくに、「格差是正という名の仲良し会的な船」に全員で乗ったことで、日本の強みであった中間所得層まで沈没の様相ではないでしょうか。

 競争がなく仲良し会的社会は一見、良さそうに見えても、気がついたら全員ダメになっていたという姿です。良くなるときは皆んなそろってハピーで、その変わり悪くなるときも全員で耐えよう、という日本人独特のDNAがあることは分かります。

 しかし、昔と違ってグローバル化した今の社会では、競争を放棄したら世界の中で日本は見捨てられてしまうのではないでしょうか。サバンナで強く速く走れない草食動物は肉食獣に捕食されるのと同じです。自分がやらなくても誰かがやってくれるという気持ちでは国際社会を生きていくことは困難です。

 私たちはもう一度、「競争」を選択し保守党に賭けました。しかし、だからといって、「かつてのような過度な競争」を望んでいるわけではありません。「高望みしないていどのほどほどの競争」を求めているのです。実現させることは難しいとは思いますが、3年半、野に下っていた保守党には十分分かってもらえるものと期待しています。

 一方、「行き過ぎた競争」について、少しだけ触れたいと思います。たとえば、ブランド名を全て消し去った冷蔵庫を5つ並べたとします。専門家なら別ですが、一般消費者には、どの冷蔵庫がどの会社のものか簡単には分からないと思います。品質も大きくは変わらないと思います。つまり、国内企業が同じような製品で叩き合いの競争をやっている間に外国の企業にどんどん差をつけられています。

 これも日本のDNAだと思いますが、「あるものをなんとか工夫して使う」ということを重要視します。決して、悪いことではありませんが、しかし、仮に工夫の領域を通り越してメンツにこだわっているとすれば、会社存続の危機にさえ見舞われてしまいます。時には、「工夫」より、思い切って「ゼロ」とする撤退も考えなくてはいけないケースが増えているのではないでしょうか。

 政権交代を契機に私たち日本人のDNAを根本的に見直して、良いところに磨きをかけるところに来ているのではないでしょうか。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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