【編集長の視点】キムラユニティー新高値にみる自動車搬送2社の株価デッドヒート

2013年1月9日 10:45

<マーケットトーク>

  キムラユニティー <9368> は、6円高の797円と変わらずを含めて7営業日続伸し、前日につけた昨年来高値796円を1円だけ連続更新している。同社株は、昨年10月に今3月期業績を下方修正し株価もやや下ぶれたが、自動車搬送の主要顧客のトヨタ自動車 <7203> が、昨年11月安値から今年1月7日につけた昨年来高値まで41%高と人気化したことが波及、下げ過ぎ訂正買いが増勢となっている。

  この自動車搬送の同業他社でトヨタのライバルのホンダ <7267> を主要顧客とする日本梱包運輸倉庫 <9072> は、11円安の1033円と反落し、昨年5月につけた昨年来高値1083円を前にもみ合っている。

  トヨタ・ホンダの株価は、昨年11月14日の野田佳彦前首相の解散総選挙表明、安倍晋三自民党総裁(現首相)の超金融緩和発言で円高が修正されたことから大幅高となった。日経平均株価は、今年1月7日ザラ場の昨年来高値まで2067円高、23%高し、ほぼ全業種が値上がりする全面高となった。

  こうなると次に株価的に意識されるのが、各業界での個別銘柄ごとの株価序列、割安・割高比較である。自動車業界では、11月14日終値から年初の昨年来高値まで、トヨタは41%高、ホンダは42%高となった。値ごろは、トヨタがホンダを900円上回り、時価総額でも全銘柄断トツのトヨタは、同じく3位のホンダに8兆円超もの水を開けているが、今後の為替・業績動向次第では、株価序列を視野に入れて両社株価のデッドヒートが続く展開も想定される。

  このトヨタ・ホンダの株価競争の代理戦争を演じるとみられるのが、自動車搬送2社で、キムラユニティーは、昨年11月安値から年初来高値まで12%高、日本梱包も、同じく11月安値から今年1月8日高値まで16%高している。キムラユニティーのPERは11倍台、PBRは0.4倍、日本梱包のPERは9倍台、PBRは0.5倍と投資価値にいずれも遜色なく割安であり、代理戦争によるキムラユニティーの猛追のなか、主要顧客並みの株価変化率を目指し、両社株がさらに上値を伸ばす展開も有力となる。(本紙編集長・浅妻昭治)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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