NEC、府中事業場に人工衛星組み立て工場を建設

2013年1月7日 13:31

 NECは7日、府中事業場(東京都府中市)の敷地内に、人工衛星の組み立てや評価・試験などを行う新工場を建設すると発表した。新工場の稼働により既存工場と合わせて最大8機の人工衛星の組み立てが可能となる。

 新工場は、鉄骨造4階建て、延べ床面積9,900平方メートルで、大型スペースチャンバーや最大26mの室内高を有する大空間作業室を備えるなど、大型衛星に対応可能な構造となっている。さらに、震度7クラスの激震を受けても継続使用可能な堅牢な建屋となっている。

 投資額は建屋・設備を合わせて約96億円だが、経済産業省のイノベーション拠点立地推進事業「先端技術実証・評価設備整備費等補助金」の採択事業となっており、NECの実質的な投資額は約76億円。新工場の着工は2013年3月、稼働は2014年6月を予定している。

 NECは、日本初の人工衛星「おおすみ」(1970年打上げ)をはじめ、小惑星イトカワからのサンプルリターンを達成した小惑星探査機「はやぶさ」や第一期水循環変動観測衛星「しずく」など、66機の人工衛星のインテグレーション(取りまとめ)を担当している。

 NECは、相模原事業場(神奈川県相模原市)に展開する小型衛星組立工場に加えて、今回の新工場建設によりNECの衛星標準バス「NEXTARシリーズ」の自社一貫生産体制を整備し、環境監視・災害監視・測位などの衛星インフラ整備、アジアをはじめとする宇宙新興国の衛星需要などを積極的に取り込み、2020年の宇宙関連事業規模1,000億円を目指していく。

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