オリンパス粉飾事件関連のヒューマラボが特別清算を申請、負債は55億円
2013年1月7日 13:12
帝国データバンクは7日、オリンパスの粉飾事件に利用された健康食品・化粧品販売のヒューマラボが、12月26日に東京地裁へ特別清算を申請したと発表した。負債は55億5115万8450円(2012年11月28日時点)。なお、同社は11月28日開催の株主総会の決議によりすでに解散している。
ヒューマラボは、2005年6月に投資ファンドの出資により、シイタケ菌糸体培養抽出物(L・E・M)を基にした健康食品販売を目的に「L・E・M販売」の商号で設立。その後同年10月に現商号に変更した。
40~60代の女性をターゲットに、栄養豊富なシイタケに勝る「L・E・M、シイタケ菌糸体培養抽出物」を原料とする顆粒タイプのサプリメント「コアレム」の販売のほか、「アージュレス」のブランド名で美容液「フェイスアップセラム」を主体に、化粧水やクレンジングジェル、洗顔ソープ、ヘアケア用品などの販売を手がけ、2011年3月期には年売上高約9億円を計上していた。
しかし、商品の開発投資や広告宣伝活動に関わる経費がかさむなど赤字体質から脱却できず、債務超過に陥っていた。こうしたなか、2011年にオリンパスの巨額粉飾事件で、過去の損失を処理するスキームにヒューマラボの買収が利用されていたことが発覚。以降、グループ全体の事業見直しを進めていたが、採算性の観点から事業撤退を決定し、11月28日に解散していた。