【この1年の指数から見る来年の相場】株価はアベノミックスを先食い、今後は効果待ち

2012年12月29日 13:31

■注目は予想1株利益、800円台なら日経平均1万5000円も

  「2012年大納会」と、1年前「2011年大納会」を主な指標で比較、マーケットの動きを探り、来年の展望を試みた。

  ほとんどの指標で昨年に比べ上昇など好転(○印)が目立つ。その中でもいくつかの特徴がみられる。(1)日経平均及び大型株指数の上昇率が大きい、(2)出来高の増加が目立つ、(3)時価総額が300兆円台を回復した、など「主力銘柄」が中心に買われたといえる展開だった。

  背景は12月の政権交代による、金融緩和、公共投資を中心とした脱デフレ経済政策で一気に「円安」の進んだことによる。とくに、日経平均採用銘柄には円安効果の大きい「輸出関連」銘柄が多く含まれていることが主力関連の指数を押し上げた。

  今後の見通しは、(1)輸出関連の主力指数がどこまで上昇するか、(2)主力以外のたとえば内需関連などの小型株等がいつ、どのていど上昇に転じるか、ということだろう。

  1つの見所としては、「アベノミックス」が、いつ頃から形となって効果が出てくるかだろう。「日経平均はアベノミックスをかなり先食いしているきらいがある。今のところ具体的な形としては円安があるだけ。今後、消費や企業業績にどのていど成果が現れるかを見極める相場だろう」(中堅証券)

  とくに、日経平均ベースの「予想1株利益」は1年前に比べ約10%上昇と、日経平均上昇率の半分にとどまっている。この観点でも、日経平均が企業業績を先食いする形となっていることがうかがえる。

  このため、企業業績では2014年3月期の予想1株利益がどのていどとなるかが株価の位置を測る上で重要である。今、マーケットで言われているのは現在の1株利益611円に対し2割増しの733円ということだ。仮に、現在と同じPER17倍なら日経平均は1万2461円という計算となる。

  さらに「円安」が進み、東日本復興需要が加わり、中国との関係修復が進み中国等向け輸出にも期待できる情勢となれば、2014年3月期の予想1株利益は800~850円の可能性もある。そうなれば日経平均の1万5000円の期待も膨らんでくる。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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