トヨタ、米リコール訴訟で和解 約940億円の費用を計上

2012年12月27日 11:33

 トヨタ自動車は27日、北米の統括会社Toyota Motor North America, Inc.(トヨタモーターノースアメリカ)が、過去に実施したリコールに関して米国で提起された経済的損失に関する訴訟で和解合意に至ったことを発表した。

 北米トヨタのチーフ・リーガル・オフィサーであるクリストファー・レイノルズ氏は、「今回和解に至ったことで、今後、お客様のご期待に応え、"もっといいクルマ"をつくることにより多くの時間と経営資源を投入できる。これは、我々にとって非常に大きな前進である。この和解は、トヨタの『お客様第一』の考え方と、『トヨタは自らがつくるクルマに責任を持つ』ことを明確に示す内容となっている」と述べている。また、「信頼できる科学的な証拠や多くの第三者調査によって、トヨタの電子スロットル制御システムの安全性が確認されていたため、和解するということは大変難しい決断だった。しかし、当社、従業員、販売店、そしてお客様のために、過去の法律問題と決別し、積極的に歩み出す判断をした」と語っている。

 今回、カリフォルニア中部地区の米国連邦地方裁判所において係属中の多地域管轄訴訟を扱っている判事によって和解が承認された場合、トヨタは、特定の車両部品の保証延長やハイブリッド車両でないフロアマットリコールの対象の既販車両へのブレーキ・オーバーライド・システム(BOS)の無償搭載といった新たな顧客サポートプログラムを開始する。

 さらに、2009年から2010年の間の一定期間内に対象車両を売却、またはリース車両を返却した顧客、およびBOSの無償搭載の対象とならず、ハイブリッド車両を除く現在BOSが装着されていない車両を現在保有またはリースしている顧客に現金を支払う。また、ドライバー教育プログラムや先進安全技術の新しい研究への資金援助も行っていく。

 なお、トヨタは、経済的損失に関する訴訟の和解に関連する見積もり費用、ならびに過去のリコールに関するカリフォルニア州におけるオレンジ郡地区検事による民事訴訟、および複数の州司法長官による調査の解決に見込まれる費用を含め、11億ドル(約940億円)の費用を計上する。

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