積水ハウス、新たな研究拠点を来年4月「うめきた」に開設
2012年12月25日 11:00
着々と開発が進められている大阪駅北地区、通称「うめきた」。その先行開発区域「グランフロント大阪」が来年4月下旬に「まちびらき」を控え、出展する企業も続々と決定。さらに近時は、各企業がどういった内容の出展をするのか、そのコンセプト等が次々に発表されている。
住宅メーカーの積水ハウス <1928> も、そうした企業の一つである。積水ハウスが出展するのはグランフロント大阪の中核施設「ナレッジキャピタル」で、「『感性』と『技術』が融合し、新たな知的価値を生み出す複合施設」をコンセプトとする施設である。積水ハウスは、このナレッジキャピタルに業界初のオープンイノベーション拠点「SUMUFUMULAB(住ムフムラボ)」を開設すると発表した。ナレッジキャピタルのコンセプトに沿い、211万戸の住宅供給実績を誇る積水ハウスの研究開発ノウハウ・技術をベースに、「有識者」「大学・教育機関」「ナレッジキャピタル参画団体」「メディア」「企業」など様々なステークホルダーの知見やノウハウを結集し、住宅の概念を超えた「住むコト」の可能性と未来を発信するとのこと。さらに、「本当の豊かさ・快適さ、そして家族の人生・絆・成長・物語の場としてのこれからの住まいの"作法"を生活者と共に発見し、そこに、科学的裏づけで快適さや暮らしの豊かさを解き明かす」(同社)という。
「住ムフムラボ」のテーマは「生きるコトを、住むコトに。」。家族形態や働き方、コミュニティの多様化、環境共生や健康意識の高まりなど、多様化する暮らしの中で、「住むコト」は自分を取り巻く大切な人たちと一緒に「生きるコト」であり、健康で心地よい豊かな時間を「生きるコト」であるという考えに基づいているという。他の出展企業の計画を見ると、目先のビジネスに即した内容が目立ち、ナレッジキャピタルの構想とギャップがあるところも少なくない。そうした中、ITや機械化・合理化だけに迎合せず、現代の社会変化に合わせて進化させ、一人ひとりのこだわりを再発見する場を創ろうとする同社の構想は大胆な挑戦と言えるであろう。
「ナレッジキャピタル」には、積水ハウスの「住ムフムラボ」のように企業出展によるスペースの他に、企業間のコラボレーションを目的とした短期間・小規模から利用できるコラボオフィスや、最大約3000人を収容することが可能なコンベンションセンターを始め、新しい価値を創造・発信するための施設が集約される。新たな可能性や気付きが広がり将来の日本経済を支えるような、これまでにない魅力が生まれることを期待したい。