宇宙開発の最大の障害は財産権?

2012年12月25日 10:20

 taraiok 曰く、

 多くの民間企業が宇宙開発を目指す時代となった。4 月には Google の CEO、ラリー・ペイジと同会長のエリック・シュミット氏らがスポンサーになって運営されている Planetary Resources 社がロボットを使った小惑星の採鉱計画を発表 (日本経済新聞の記事) 。10 月と 11 月には Moon Express 社と Shackleton Energy Company (SEC) 社が月面での鉱物発掘や水資源開発を行うと発表している (The Week の記事Parabolic Arc の記事) 。さらに今月の 18 日には、NASA の元フライトディレクターらが 1 回当たり 15 億ドルという安価な月旅行を行う月面観光ベンチャーの Golden Spike 社を設立している (エキサイトニュースの記事) 。

 しかし、宇宙開発ベンチャーには共通する課題がある。それは国際紛争を避けるため、宇宙空間での領有の禁止、国家への責任集中原則を定めた宇宙条約への対応だ。この条約により、月面などの領有権や財産権などには制約がある。財産権は開拓の原動力でもあり、これまで宇宙の民間開発が活発にならなかった要因になっていた。THE NEW ATLANTIS の記事は、こうした制約を裏技を使ってくぐり抜けるアイデアを披露している。たとえば、市民権または国籍を持たない人々が宇宙開発をした場合どうなるかといったものや宇宙条約に加盟していない国家に企業を設立して月面を開発した場合、宇宙条約の解釈の拡大、宇宙条約の脱退までさまざまなものが取り上げられている (本家 /. 記事より)。

 今後、宇宙飛行の技術のローコスト化が進むと宇宙条約による制約は深刻な問題になる可能性があるとしており、宇宙を新たなフロンティアとして開発するためにはすぐに条約を修正する必要があるとまとめている。

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