【相場熟者が答える投資相談】武田薬は2010年の4300円も見込めそう、中期持続

2012年12月22日 20:40

  【問い】 武田薬品工業 <4502> を3600円で200株持っています。売りを考えていますが、どうでしょうか。

  【答え】 12月21日(金)は25円高の3900円と連日の年初来高値更新と買われています。

  前週18日午前中に同社が、米国子会社の米子会社のURLファーマの後発医薬品事業をインド系の後発薬メーカー、カラコに約55億円で売却すると発表したことが買い手がかり。今3月期の業績予想に与える影響は軽微としていますが、今後、URLが痛風治療薬など主力の新薬事業に専念することから、市場では主力の新薬事業に軸足を移す戦略を前向きに評価した動きとなっています。

  足元の業績、今3月期売上高は1兆5500億円(前期比2.7%増)、営業利益は160億円(同39.6%減)、経常利益は150億円(同44.5%減)、純利益は1550億円(同24.8%増)を見込みます。営業利益の段階では後発薬に押され減益となるものの、買収したスイス社の業績寄与や追徴税還付で純利益では増益になる見通しです。続く来3月期は新薬が伸び、営業利益は増益。純利益は還付がなくなり減益が観測されています。

  株価は、昨年11月安値3020円、今年1月17日の年初来安値3160円、10月4日安値3490円と売り直されて上昇。上値抵抗線として意識された3月26日高値3790円を突破したことで、押し目買い優位に上値を伸ばしています。今期予想PER19倍台と割安感にやや乏しいものの、信用取組倍率0.67倍の好需給で、配当利回り4.65%と利回り妙味が増すことから、10年3月高値4300円前後まで上値を伸ばす可能性がありますので、中長期で持続もと考えます。(株式評論家・摩周湖)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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