JR東海、東海道新幹線の脱線・逸脱防止対策区間を拡大 工事費約830億円
2012年12月21日 12:26
JR東海は2009年10月より、東海道新幹線において軌道延長140kmにわたり脱線・逸脱防止対策を実施してきたが、今回さらなる安全性の向上のため、東海地震の際に強く長い地震動が想定される地区の全区間、及びその他の地区の高速で通過するトンネルの手前や三主桁の手前の区間全てを含む軌道延長456kmに対策を実施すると、20日発表した。これにより、脱線時の被害拡大のおそれが大きい区間の対策は全て完了することになる。
今回の計画では、地震時の脱線そのものを極力防止するため、脱線防止ガードを軌道延長456kmに敷設する。これにより、今年度実施完了となる140kmと合わせ、脱線防止ガードの敷設区間は軌道延長計596kmに拡大される。
また、脱線防止ガードを有効に機能させるため、今回敷設の軌道延長456kmの区間のうち必要な箇所で、バラストの流出、盛土の沈下、高架橋の変位を抑制する対策を実施する。
工期は2012年12月~2020年3月の予定。工事費は約830億円。
また、併せて実施していた、万一脱線した場合に車両が線路から大きく逸脱することを防ぐための「逸脱防止ストッパ」の車両への設置についても今年度中に全編成完了する。