日立、英国の列車運行管理システム会社を買収

2012年12月21日 11:40

 日立製作所は20日、日立の欧州における現地法人である日立ヨーロッパ社を通じ、英国の列車運行管理用シミュレーターおよび自動進路制御システム、鉄道関連制御システムの開発・販売会社であるThe Railway Engineering Company Limited(TRE社)を買収すると発表した。今回TRE社の株主らと、TRE社の発行済み全株式に対する売買契約を締結。今後、同契約に基づき、12月中の買収完了に向けた手続きを進める。日立はTRE社の買収により、英国および欧州における鉄道を含む社会インフラシステム事業の拡大を目指す。

 日立は、2009年に営業開始した高速鉄道「クラス395」や、2012年7月に契約を締結した都市間高速鉄道計画(IEP:Intercity Express Programme)を受注。また、2012年8月には、英国全土の駅・線路等の鉄道インフラを保有・管理する英国ネットワーク・レール社より列車運行管理システムのプロトタイプを受注し、今回買収するTRE社は日立と協力してこのプロジェクトを進めている。

 TRE社は、これまで10年以上にわたり、英国の列車運行管理用シミュレーターの開発に携わっており、英国の線路や信号装置、転てつ器などの現場設備および英国における列車運行規則についての豊富な知見を有し、高い市場シェアを獲得している。

 一方、日立の高度な情報制御技術を用いた列車運行管理システムは、旅客需要に応じたフレキシブルな運行計画を作成し、運行計画に基づいた運行の管理・制御を行うとともに、遅延や運行障害発生時における迅速な運転回復を支援する。

 日立は、英国鉄道に関する豊富な知識と技術力を有するTRE社の知見と日立の高度な情報制御技術を組み合わせ、円滑な鉄道インフラの実現に貢献することを目指す。

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