【アナリストの眼】サンコーテクノは国土強靭化政策が追い風、好狙い場

2012年12月19日 09:33

<業績&株価分析>

  サンコーテクノ <3435> (JQS)は、アンカー(コンクリート用の特殊ネジ・釘類)の大手である。メガソーラー関連や新内閣の国土強靭化政策関連として注目したい。

  今期(13年3月期)連結業績見通しは、売上高が前期比7.9%増、営業利益が同13.2%増、経常利益が同2.8%増、純利益が同22.6%増としている。下期偏重の収益構造のため従来予想を据え置いているが、第2四半期累計(4~9月期)が計画を大幅に上回り、通期会社予想に対する進捗率も売上高が45.6%、営業利益が53.6%、経常利益が56.7%、純利益が41.2%に達している。震災復興関連や耐震補強関連などで主力の金属系アンカー(あと施工アンカー)の需要が好調であり、全国的にメガソーラー事業に参入する企業が相次いでいるため、太陽光発電の架台設置用に使用される金属系アンカーの需要増加に追い風となる。通期業績上振れの可能性があるだろう。

  株価の動きを見ると、11月中旬以降は概ね1700円台後半で推移していたが、12月2日に発生した中央自動車道・笹子トンネル事故を契機に動意付き、5日には年初来高値となる2120円まで上昇する場面があった。足元では人気一巡して1800円近辺で推移している。18日の終値1811円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS172円01銭で算出)は10~11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間35円で算出)は1.9%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS3260円88銭で算出)は0.5倍台となる。

  週足チャートで見ると、年初来高値で長い上ヒゲを付けた形だが、一方では下値を着実に切り上げて26週移動平均線を回復する形となった。通期業績上振れの可能性が支援材料であり、新内閣による国土強靭化政策が息の長いテーマとなるため、短期調整一巡後にトレンド好転を鮮明にして上値を試す展開が期待されるだろう。(本紙・シニアアナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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