【話題】自民大勝で日経平均9903円、1万円が目前

2012年12月17日 10:16

■高い位置のスタートで「加点より減点心理」が働きやすい

 衆議院選挙での自民党の大勝を受けて、週開け17日(月)の日経平均は158円高の9895円で始まり、166円高の9903円と買い進まれ、1万円台へ手の届くところに来ている。

 「ご祝儀的な色合いも含まれてはいるものの、ご祝儀を越えた本物実力相場の雰囲気といえる。連立を組む公明党と合計で325議席(全体の3分の2)に達し、仮に、参議院で法案が否決されても、もう一度衆議院で3分2の賛成で可決できるため政策運営が安定する」(中堅証券)ことが、実力相場の背景というわけだ。

 とくに、これまで産業界やマーケット、さらに国民生活にとって重しとなっていた「デフレ」に対し、方向を転換して「インフレ」政策となることが大きい。稼ぐことより分配が優先していたことに対する反省もあるだろう。また、外交力低下のスキを突かれて領土侵食への対応も新政権の下で図られることと思われる。恐らく、新総理の最初の訪問はアメリカとなるはずだ。

 日経平均が1万円台に乗せれば、今年4月3日以来のこととなり、1万円のフシ突破ということで投資家心理だけでなく景況感にも大いにプラスが期待される。

 ただ、先行きに危惧があるとすれば、大勝したことにより期待感ということでは非常にに高い位置からのスタートなる。つまり、これからの自民・公明の政策に対しては、「加点」より、「減点」の心理が働きやすいことでもある。「期待したのに形にならない不満」が出やすい。3年前に大勝した民主党にも同じ心理が働いた。

 今後のマーケットは、新政権政策に対する「期待」と「現実」を常に天秤にかける展開が予想される。とくに、ハネムーンといわれる「新政権100日」には期待が先行するが、その後は徐々に現実の成果に目線が移るものとみられる。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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