三菱重工、国内初の総合交通システム検証施設を広島県に建設
2012年12月13日 19:10
三菱重工業は13日、三原製作所和田沖工場(広島県三原市)内に、約3.2kmの鉄道軌道用の周回コースを持つ、国内初の総合交通システム検証施設「MIHARA(Multipurpose Integrated Highly-Advanced Railway Applications)試験センター」を建設すると発表した。
同センターは、都市交通インフラ輸出に向けて国際規格への対応に主眼を置いたグローバル仕様の試験センターで、運用開始は2014年上期を予定している。他の企業や官民団体も広く利用可能な運営を検討する方針で、将来的にはスマートコミュニティ分野の総合試験やデモが実施できる環境を整備していく。
MIHARA試験センターの建設は、日本のインフラ輸出戦略の柱の一つである鉄道システムの競争力強化をはかるのが狙い。国際規格への適合性評価や製品開発のための強力な支援ツールとして活用するとともに、“日本モデル”として評価の高い保守・運用を含めたソフト面の一層の充実にも役立てる。
和田沖工場にはすでに鉄輪用の試験線のほか、新交通システム(APM)や磁気浮上システム(HSST)用の試験線が設置されているが、今回の試験センターの建設ではこれらを大きく拡張する。既存線の約5倍に相当する周回軌道を導入し、最高速度毎時100kmでの車両性能や曲線部での騒音試験、さらには連続運転による各種試験などを実施できる環境を整備するほか、車両、信号、通信、運行管理などを総合的に試験できる各種設備を構築する。
起工式は2013年3月。第一期工事は約1年5ヵ月かけて竣工し、その後さらに施設を拡充する第二期工事に入る。