NECなど3社、400ギガビット級光伝送技術実用化に向けた共同研究開発に着手

2012年12月11日 19:34

 NTT、NEC、富士通の3社は11日、世界最高水準の1チャネルあたり毎秒400ギガビット級のデジタルコヒーレント光伝送技術の実用化に向けた共同研究開発を開始したと発表した。

 世界中の光ネットワークへの普及が進んでいる毎秒100ギガビット級の光伝送方式の商用化を実現した技術力を結集し、光伝送のキーとなるデジタルコヒーレント光伝送方式のさらなる高性能・高機能化を進めていく。これにより、超高速かつ低消費電力で柔軟性を兼ね備えた世界最高レベルの光ネットワークの実現を目指すとともに、光伝送技術向上と成果のグローバル展開にも貢献していく。なお、同研究開発は総務省の委託研究「超高速・低消費電力光ネットワーク技術の研究開発」を受託し進めていく。

 同共同研究では、毎秒100ギガビット伝送で採用している4値位相変調に加えて、さらに多値化を図った16値の直交振幅変調を採用し、毎秒400ギガビット級の超高速光伝送を実現する。これを60チャネル高密度多重することで、1本の光ファイバあたり毎秒24テラビット級の世界最大容量の光ネットワークを実現していく。

 また、低消費電力化には装置数の削減につながる長距離伝送技術が必要となるが、これまで多値変調信号の長距離化の主要制限要因であった光ファイバ中の非線形光学効果についての補償技術を確立し、世界初の実用化を目指す。この成果とこれまでに確立した波長分散・偏波モード分散補償技術の高性能化と合わせ、長距離伝送を実現していく。さらに、伝送路の状況に応じて同一のハードウェアでさまざまな変調方式を実現する適応変復調技術の実用化を進め、柔軟なネットワークの構築を実現する。

 今後、2014年までの研究開発期間を通じて技術課題の克服に取り組み、毎秒400ギガビット級伝送と低消費電力化に関する技術確立、ならびに研究開発成果の早期実用化を行う。あわせて、国内外の機関との連携も行い、成果のグローバル展開を目指していく。

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