三菱重工、世界最高効率J形ガスタービンの新型機を商用化へ

2012年12月11日 13:47

 三菱重工業は11日、最新鋭J形ガスタービンの新型機「M501JAC形ガスタービン」を開発し、市場投入すると発表した。

 新型機は、燃焼器の冷却方式をこれまでの蒸気冷却式から空気冷却式に変更したもので、M501J形ガスタービンと同レベルの性能を保ちながら起動時間を短縮するなど高い運用性を実現したのが特徴。これにより、世界最高効率を誇るJ形シリーズのラインアップを広げ、大容量・高効率ガスタービン市場をリードする。

 M501JAC(J Air Cooled)形ガスタービンは、三菱重工が2009年に独自技術により開発した世界トップクラスの大容量・高効率機であるM501J形ガスタービンに空気冷却式燃焼器を採用した機種で、ガスタービン定格単機出力約31万kWを実現。また、排熱回収ボイラーおよび蒸気タービンを組み合せたガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電では出力約45万kW、発電端熱効率は世界最高水準の61%超(低位発熱量)を目指す。

 M501JAC形ガスタービンの開発は、三菱重工の高砂製作所(兵庫県高砂市)の実証設備複合サイクル発電所で実施しているM501J形ガスタービンの長期実証運転が起動回数100回、運転時間8,000時間を突破し、その高い信頼性が実証されたことを受け行われた。初号機出荷は2015年からの予定。G形シリーズの際も同様のステップを踏んで空冷燃焼器採用のGAC形の開発・投入が実施され、商業運転を開始している。

 J形シリーズの先陣を切って市場投入した60Hz機であるM501J形ガスタービンは、投入以来2年余にしてすでに国内外から累計16基を受注、その後も多数の引き合いが続いている。また、50Hz機であるM701 J形ガスタービンもすでに2基の受注が決定している。そして今回、大容量・高効率シリーズに空冷式のM501JAC形ガスタービンが加わったことで、グローバルな発電設備市場の様々な先進ニーズにさらに的確に対応していく。

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