帝人、熱可塑性炭素繊維複合材料製品のパイロットプラントが稼働開始
2012年12月5日 11:11
帝人は4日、熱可塑性樹脂を使用した炭素繊維複合材料(CFRP)によるコンポジット製品の事業化を加速するため、昨年12月より松山事業所内で建設を進めていた「炭素繊維からコンポジット製品の成形加工までを1分以内で連続一貫生産するパイロットプラント」が完成し、同日より稼働を開始したと発表した。これにより、熱可塑性CFRPによるコンポジット製品の試作から性能評価までをより迅速に実施することが可能となり、さらに、形状が複雑な成形品や大型コンポジット製品の量産に向けた試作も容易になる。
帝人が開発した技術は、自動車業界が求める理想的なタクトタイム(工程作業時間)で炭素繊維からコンポジット製品の成形加工までを連続一貫生産できることから、量産車へのコンポジット製品の採用に向けて大きく貢献することができる。また、自動車用途に限らず、軽量化が求められる一般産業用途の量産化に向けても幅広く展開していくという。さらに、熱可塑性樹脂を用いることからリサイクル性に優れることも特徴となっている。
帝人は、コンポジット製品の研究開発の中心拠点である複合材料開発センターと、今回のパイロットプラント、および今年4月に米国に開設した複合材料用途開発センターを有機的に連携させていくことで、国内外の自動車メーカー各社との取り組みを加速するとともに、自動車分野以外においても新たなCFRP市場を開拓していく方針。
帝人は、今後急成長が予想される自動車用途および一般産業用途における市場開拓を強力に推進し、早期にコンポジット製品事業を本格展開する。2020年近傍には1,500~2,000億円の事業規模を目指し、炭素繊維・複合材料事業におけるリーディングカンパニーの地位を確立していく。