有望市場インドネシア、日本企業の進出が本格化
2012年12月4日 11:00
現在、アジアの中でも東南アジア諸国連合の成長は大きく、なかでも最も伸長しているのがインドネシアといわれている。その背景には世界第4位に相当する約2億4000万人という人口による内需に強さ、労働力の豊富さが挙げられる。
そんなポテンシャルの高い有望市場を、日本の企業も指をくわえてただ見ている訳ではない。今年7月9日にはアサヒグループホールディングスのシンガポール子会社であるAsahi Group Holdings Southeast Asia Pte. Ltd.は、インドネシアの大手財閥であるサリム・グループの中核企業の1つであるPT INDOFOOD CBP SUKSES MAKMUR TBKとの間で、インドネシアにおいて清涼飲料の製造及び販売を行う合弁会社設立および運営に関する合弁契約の調印している。
また、西川ゴムは10月15日、PT.KARYA PUTRA SANGKURIANG社と合弁でPT.NISHIKAWA KARYA INDONESIAを設立すると発表した。インドネシアにおける自動車市場の拡大に伴い、主要な顧客のニーズに応えるため、インドネシア共和国における現地生産基盤を確立することが必要であると判断。今後は、このインドネシアに設立の現地法人を足がかりに、自動車用ゴム・樹脂製品を中心にアセアン地域への対応強化と製品拡販により、事業の安定を図っていく。
さらに、12月3日には伊藤忠商事が、カルビー および、日用雑貨、パーソナルケア、食品の3分野を中心に包装資材・化学品・建設資材の製造、不動産開発なども手がけるインドネシアを代表する財閥の1つであるWingsグループのPT.Mitrajaya Ekapranaと、インドネシアにおけるスナック菓子の製造会社を設立することで合意。なお当該合弁会社の設立にあたっては、まず伊藤忠商事とカルビーによる特別目的会社(SPC=カルビー90%、伊藤忠商事10%)を設立し、当該SPCとPT.Mitrajaya Ekaprana間で50対50の合弁会社を設立するという。来年1月~3月を目処に合弁会社を設立し、2014年度中の工場稼動及び商品販売を予定している。
帝国データバンクによると、インドネシアに進出する日本企業は、2012年3月23日時点で1266社となっている。国内情勢は長引く不況により景気回復がまだまだ望めない状況の為、今後も日本企業のインドネシア進出がさらに加速することが予測されるだけに、その動向は国内外から益々注目されるだろう。