ヒト型コミュニケーションロボット、来夏宇宙へ打ち上げ決定
2012年12月3日 11:29
電通、東京大学先端科学技術研究センター(東大先端研)、株式会社ロボ・ガレージは、国際宇宙ステーションに滞在するヒト型コミュニケーションロボットの共同研究「KIBO ROBOT PROJECT」を進めてきたが、今回その仕様が決まり、2013年夏の打ち上げが決定したと発表した。また、これに伴い同ロボットの名前を募集するという。
同プロジェクトは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)による公募「『きぼう』を利用した社会課題解決テーマのフィジビリティスタディ提案」に採択され、2011年から1年以上にわたった検討から生まれたもの。具体的には、国際宇宙ステーション「きぼう」日本実験棟内において、宇宙飛行士と自律動作および遠隔操作によるコミュニケーションを行ったり、地上に向けて情報発信したりするロボットを開発中。
同ロボットは、身長約34cm、全幅約18cm、奥行き約15cmで重量は約1,000gとなる予定。発話言語は日本語。主要装備は音声認識、自然言語処理、音声(発話)合成、情報通信機能、コミュニケーション動作、顔認識カメラ、記録用カメラなど。
ロボットの完成は2013年2月を予定しており、同年夏に国際宇宙ステーションに向けて打ち上げを行う。そして同年冬、日本人初の国際宇宙ステーション船長となる若田光一宇宙飛行士とロボットが対面し、世界で初めてとなる“宇宙における人とロボットとの対話実験”を実施する。
また、併せて同じ仕様のロボットをもう1体作製し、地上での同プロジェクトの活動紹介やバックアップなどに活用する予定。これに伴い、同プロジェクトホームページにおいて、宇宙に打ち上げるロボットおよび地上で活動するロボット、2体それぞれの名前を募集する。
現在、日本各地の優れた技術を有する企業各社の協力のもと、東大先端研とロボ・ガレージにてロボット本体の開発を進め、会話コンテンツ作成に電通が加わっている。さらに今回、トヨタ自動車が新たに同プロジェクトに参画し、音声認識技術や自然言語処理によるロボットの知能化を担当することになった。トヨタは同プロジェクトへの参画によって、「人との共生」を目標とする同社の「トヨタパートナーロボット」開発や対話型サービス等に資する技術の蓄積、データの収集などを目指している。