三菱重工と日立が火力発電分野で事業統合、2014年1月目処に合弁会社
2012年11月29日 17:07
三菱重工業と日立製作所は29日、火力発電システムを主体とする分野で事業を統合し、共同で運営することで基本合意したと発表した。2014年1月1日を目途として、三菱重工が65%、日立が35%を出資する合弁会社に両社の火力発電システムを主体とする事業をそれぞれ集約し、事業を統合していく。
具体的には、火力発電システム事業(ガスタービン、蒸気タービン、ボイラー、発電機等)、地熱発電システム事業、環境装置事業、燃料電池事業などにおいて事業を統合していく予定。これらの事業に関連する一定の子会社及び関連会社も統合の範囲に含まれるという。
統合の方式は、統合の対象となる事業を会社分割その他の方法により合弁会社に承継させる予定。詳細については、統合に係る最終契約書の締結までに両当事者間で協議の上で決定するとしている。
三菱重工と日立は、これまでも製鉄機械分野における提携、その後の合弁会社設立、海外向け都市交通システム事業における協業や水力発電システム事業統合、さらには東京電力福島第一原子力発電所に対する共同支援など、さまざまな分野においてその技術力とノウハウを生かしたパートナーシップを構築してきた。
こうしたパートナーシップの蓄積を踏まえ、世界的に旺盛な火力発電システムの需要に、高い技術力と品質、信頼性で応え、激化するグローバル競争を勝ち抜くために、今回両社は事業統合に合意した。2014年1月1日を目途として、両社が出資する合弁会社に火力発電システムを主体とする事業をそれぞれ集約し、速やかな統合効果の実現により事業を拡大していく方針。今後、両社は統合のために速やかに共同で統合準備委員会を組織し、統合の実現に必要な作業を協力して進めるという。
火力発電分野において、両社はともに幅広い製品ラインナップを持っている。たとえばガスタービンについては、近年、三菱重工が高効率の大型機種に注力する一方、日立は中小型機種を主力としている。また、地域的には、三菱重工が東南アジアや中東などで強みを持つ一方、日立は欧州やアフリカなどの市場で強みを発揮するなど、相互の強みを生かしていく。そして、火力発電プラント全体にわたりトータルソリューションを提供できる両社の強みを生かし、顧客ニーズへの対応やサービスをさらに強化していく。