関西電力が値上げ申請、標準家庭で月額599円増

2012年11月27日 11:00

 関西電力が、来年4月1日からの電気料金の値上げを経済産業大臣に申請したと発表。家庭向けである規制分野では11.88%、企業向けである自由化分野は19.23%の値上げを申請。認可が下りれば、最も契約数の多い従量電灯Aにおいて、1カ月当たり300kWh使用する標準的な家庭で月額599円の負担増となる。

 昨年の震災以降、火力発電の焚き増しや海南発電所2号機の再稼動、姫路第一発電所におけるガスタービンの設置などにより、火力燃料費等の負担が大幅に増加。これまでは、経営効率化や内部留保の取り崩しなどによりこの増加分を吸収していたが、平成24年度の通期の業績は4200億円程度と過去最高額の赤字が見込まれ、平成25~27年度の3カ年平均では、震災前の平成22年度と比較して5689億円増加する見込みだという。そのため、現行の電気料金水準では電力の安心・安定供給に支障が出かねない状況となっており、同3年間平均1553億円のコスト削減等を前提に、今回の値上げ申請を実施したとのこと。

 今年9月に実施された東京電力の値上げが平均8.46%であったことから比べると、大幅な値上げと言えるであろう。この値上げ率も、原子力発電である高浜3・4号機の平成25年7月以降の再稼働を織り込んだ数字だというから、このまま再稼働がなされなければ、いずれ再び値上げが実施される可能性もある。電力会社による再生可能エネルギー発電が従前の原子力発電と同水準にまで増加するのは何十年も先の話であろう。また、今年建設ラッシュとなったメガソーラー発電所による発電などにより、固定価格買取制度に基づく買い取り量が増え続ければ、その分も再エネ賦課金として電気料金に加算されうるため、あまり値下げは期待できない。他の電力会社でも電気料金見直しの検討は始まっている。一方で、自宅に太陽光発電機器や蓄電池を備えるにも多大なコストがかかる。最早一般消費者は、更なる省エネ策に奔走するしかないのであろうか。

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