デンソー、新型ミリ波レーダーを開発 検知距離と角度を拡大

2012年11月21日 13:25

 デンソーは21日、検知距離と角度を拡大した新型ミリ波レーダーを開発したと発表した。新型レーダーの検知距離は従来品の151mから205mに拡大、また検知角度は35m先までの距離において従来品の±10度から±18度まで拡大している。これにより、これまでよりも遠くから、かつ幅広い範囲において前方車両を検知することが可能となり、車両の衝突被害軽減システム(PCS)と車間距離制御システム(ACC)の作動範囲の拡張に寄与する。

 ミリ波レーダーは、製品正面から電波を発信し、前方車両からの電波の反射時間・方向から車間距離や前方車両の速度・方位を検知するもので、衝突が不可避な状況を検知して衝突被害を軽減するPCS、および、先行車との車間距離を一定に保って走行するACCのセンサーとして使用されている。

 新たに開発したミリ波レーダーは、検知距離を拡大することで、ACCの作動下でより早い速度での走行においても先行車両との間に必要な車間距離を一定に保つことが可能となる。また、検知角度の拡大により、横からの車の割り込みやカーブ・交差点を含む様々な道路環境に対して、従来よりも早いタイミングで最適な制御を実現する。

 今回の検知距離の拡大は、ミリ波レーダーの電波信号の受信の妨げとなるノイズ(電磁雑音)レベルを低減し、より高感度な受信回路となるよう電子回路の構成を改良することで実現している。また、受信アンテナの配置を工夫することにより、検知角度を拡大している。さらに、発信・受信アンテナの材質の変更や構成部品の統合により、従来品と比べて大幅にコストを低減している。

 なお、新たに開発したミリ波レーダーは、今年11月より欧州市場からグローバルに順次発売の「マツダ アテンザ(海外名:Mazda6)」に採用されており、国内市場では11月20日より発売開始されている。

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