三井物産など、ブラジルで産業・商業向けエネルギーサービス事業に参画
2012年11月15日 17:07
三井物産と、東京ガスの100%子会社である株式会社エネルギーアドバンス(ENAC)は15日、ブラジルで天然ガスコージェネレーションシステム(熱電併給システム)を用いたエネルギーサービス事業に参画すると発表した。
三井物産とENACが、共同で設立した投資子会社を通じてEcogen Brasil Solucoes Energeticas S.A.(エコジェン社)の持ち株会社の全株式を取得することに合意し、11月14日に同投資子会社と持ち株会社の株主との間で株式売買契約を締結した。
エコジェン社はブラジルで最大手の、主に天然ガス利用設備を活用したエネルギーサービスの専業事業者であり、サンパウロやリオデジャネイロ等、都心部を中心としてショッピングモールや商業ビル、ホテルなどを対象に、顧客のエネルギー需要に応じた天然ガスコージェネレーションシステムの設計、同システムの長期レンタル・操業・保守管理サービスを提供する企業。
三井物産とENACは、エコジェン社の主要既存顧客層である商業顧客のみならず、今後コージェネレーションの需要拡大が見込まれる熱需要の大きい産業顧客のニーズを開拓し、エコジェン社の更なる成長を図る。三井物産はブラジル国内7州のガス配給会社に出資する100%子会社のMitsui Gas e Energia do Brasil LTDA.の知見を活用するほか、ENACは日本で培ったコージェネレーションシステムの操業・メンテナンスに関わる技術や営業ノウハウ等の提供を通じてエコジェン社の企業価値向上に取り組む。
ブラジルでは、サッカーのワールドカップやオリンピックの自国開催を前にインフラ整備が推進される中、追加電源の確保が喫緊の課題となっている。また、頻発する停電の解決策として、既存の送配電網から独立した分散型電源であるコージェネレーションシステムの需要は旺盛であり、今後も高い成長が見込まれている。さらに、2017年からは国内のプレソルト(岩塩下)層の超深海ガス田からの本格的なガス生産も計画されており、ガスの供給量増加に伴い、天然ガスコージェネレーションシステムに対するさらなる需要の高まりが予想されるという。