Intel、60基のx86コアを搭載する「Xeon Phi」を発表

2012年11月15日 08:00

あるAnonymous Coward 曰く、 Intelが60基のx86コアを搭載する「Xeon Phi」を発表した。Xeonという名前が付いているがCPUではなく、PCI Express接続の補助演算ユニットという、いわゆる「アクセラレータボード」である(4GamerPC Watch)。

 Intelはかつて開発コード「Larrabee」と呼ばれる、GPUとしても利用できるアクセラレータ向けプロセッサを開発していた。今回発表されたXeon Phi((コードネーム「Knights Corner」)はこれの後継となるものという。Xeon Phiは5110Pと3100シリーズというラインアップが用意されており、5110Pの場合搭載コア数は60個でコアの動作クロックは1.053GHz、メモリは8GB(GDDR5)、30MBのキャッシュを持つ。メモリ帯域幅は最大320GB/秒。

 また、既存のソースコードを簡単な修正のみでXeon Phiに対応させられるのも特徴だという。Xeon Phiは「60コアを持つx86プロセッサ」として扱えるので、プログラミングが容易ということがアピールされている。

 なお、Xeon Phiはまず5510Pが2013年1月28日より販売され、続いて2013年前半に3100シリーズが販売されるとのこと。1,000個ロット時の想定価格は5110Pが2,649ドル、3100シリーズは2,000ドル以下だそうだ。

 また、別のAnonymous Coward 曰く、

 Xeon Phiは、60個のコアをワンチップに集積、チップ当たりの理論最高性能は1TFLOPSになるという野心的で先進的なHPC向けのチップであるが、後藤弘茂氏の分析によると、IntelはこれをGPUとして使うことを諦めていないようだ。

 Intelの正式なコメントでは「ハードウェアはLarrabeeだが、ソフトウェア層をHPC向けにしたのがKnights Ferryだ。グラフィックス向けの機能はダイに載っているが使っていない」となっている。 後藤氏のダイの写真からの分析によると、Xeon Phiには8個の正体不明のユニットが残っているという。位置的にはCPUコア間通信用のリングバスに接続されていると見られ、テクスチャユニットではないかと予想されている。

 Intelは元々Larrabee2として設計された物を流用していると説明しており、盲腸的に残っている説明もできるが、最近のIntelのプロセッサーはリングバスによって必要のないモジュールを外して設計することが容易になっており、全く必要ないと考えているならば残っているのは不自然とも言える。

 IBMおよびソニーのCell、IntelのLarrabeeなど、汎用性の高いコアをGPU的に使うのは専用GPUとして設計されたものと比べてトランジスタ当たりの性能が悪く不利である、ということを十分知ってるはずのIntelであるが、やはりGPU化の夢を捨て切れないのだろうか。

 本業機械屋でどう表現しても素人のタレコミ子としては、最近のPS3の高性能描画エンジンではCell内のSPEでジオメトリプロセスを演算することで高い性能を発揮しているものがあることを考えると、ユニファイドシェーダーの流れを無視してジオメトリプロセスだけXeon Phiのコアに行わせて、ピクセルシェーダーはGPU専用に開発したものを使う、という方法なら生きる道はあるのではないかと考えます。

 その他、Xeon Phi自体へのコメントもどうぞ宜しくお願いします

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