GSユアサ、PHEV用リチウムイオン電池の新技術を開発
2012年11月8日 13:52
GSユアサは8日、次世代プラグインハイブリッド自動車(PHEV)用リチウムイオン電池の新技術を開発したと発表した。
今回開発した新技術は、同社がNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)からの委託を受け、2007年よりPHEVに適したリチウムイオン電池の開発(Li-EADプロジェクト)を実施してきた成果。同技術は、従来HEV用リチウムイオン電池に用いられていた三成分系正極と少量のリン酸鉄リチウムとを複合することで、低SOC(State of Charge:充電状態)条件における出力性能および電池寿命のさらなる向上を図ることができる。
PHEVは、電池容量が十分な状態では電気自動車(EV)として走行し、電池容量が少なくなった低SOC条件ではハイブリッド自動車(HEV)として走行する。PHEVは実使用時において、夜間に電池を充電し、電池が長時間高SOC条件で保持されることが想定される。このような長時間にわたる高SOC条件での保持はリチウムイオン電池の寿命を短くする。そのため、電池にとっては高SOC条件で長時間保管しても性能を維持することが求められていた。
また、低SOC条件における入出力性能が向上するとモーターのみで走行する(EV走行)距離を長く設定できるため、低SOC条件における高入出力性能が強く求められていた。
GSユアサは、「今回当社が開発した新技術は、このようなPHEV用電池に対するニーズに応える糸口になると確信している」とコメントしている。同社は、今後さらに改良を進めるとともに、長期間の評価をおこなうことによって実用化への問題点を抽出していく予定。