【相場熟者が答える投資相談】富士重工業、予定の9月中間期決算発表時の通期予想に注目
2012年10月28日 10:08
【問い】 富士重工業 <7270> を600円で2000株持っています。買い増しを考えていますので、よろしくお願いします。
【答え】 26日(金)は18円安の723円と反落しています。
円相場が対ドルで80円前半と円安が進行。日中関係の悪化で中国での現地生産工場建設計画が事実上なくなったほか、好調な北米で第2工場建設が予定されるなど、中国リスクが回避される一方で、好調が続く北米での展開に期待感が高まり、23日に年初来高値748円と買われました。
足元の業績、10月23大引け後、同社は9月中間期業績の修正を発表しました。売上高は従来予想の9100億円から8980億円(前年同期比37.1%増)に減額したものの、営業利益は同320億円から430日億円(同2.3倍)と増額。これを受け、三菱UFJモルガン証券では23日付で投資判断を「アウトパフォーム」(強気)継続で、目標株価を850円から900円に引き上げています。同証券では原材料価格の好転、経費や開発費の保守的な前提もあり、通期会社計画の上ブレの可能性を示唆していますので、10月30日に予定される9月中間期決算発表時における通期業績予想の発表は注目されます。
需給面では、以前、三井松島産業 <1518> やツガミ <6101> などの株式取得で話題となったブラックロック・ジャパンが39,192,809株(5.01%)保有していることが思惑材料として浮上しています。また、震災から本年の4月にかけていすゞ自動車 <7202> が復興関連として上昇しましたが、本年後半からは同じトヨタ自動車 <7203> が保有する株で、富士重工が相場の先導役になると有力視されます。株価は、震災前の11年2月高値758円を基点とした三角保ち合いを形成しています。9ヶ月移動平均線がサポート、今期予想PER11倍台と割高感はなく、信用取組倍率0.56倍の好需給で、下値を着実に切り上げていますので、震災前の11年2月高値758円奪回から一段高へ進む可能性が高まる方向です。余裕があれば、押し目場面で1000株買い増して、上放れを待つ位で良いでしょう。(株式評論家・摩周湖)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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