無線ネットワークの速度を「10倍向上させる」という新技術
2012年10月26日 14:09
taraiok 曰く、 MIT、カリフォルニア工科大学、ハーバード大学らの合同研究チームは、基地局の追加や送信電力を増加させることなく無線ネットワークの速度を改善する技術を開発したと発表した。現在、無線ネットワーク通信に使用されているパケットの3%は、干渉や輻輳などが原因で廃棄されているという。さらに電車への乗車中など、高速移動する状況ではこのパケットロスは5%まで増加するとのこと。研究チームが開発した新技術「coded TCP」を使用すればこうしたパケットロスは皆無になるという(technology review、ExtremTech、元論文PDF、Gigazine、本家/.)。
MIT内のWi-Fiネットワークを使った実験ではパケットロスがなくなり、通信速度も通常1Mbpsのところ16Mbpsまで増加したとしている。また5%のパケットロスが発生していた電車内での通信では、接続速度は0.5Mbpsから13.5Mbpsにまで向上したとしている。
通常パケットが損失していた場合、受信側はパケットが欠落していたことを送信者に伝える必要があり、代替となる交換パケットが受信されるまで何もできない。「coded TCP」では、これまでのようにパケットを1個ずつ送信するのではなく、パケットのブロック情報がひとまとめに記述された代数方程式を送ることでこれを解決しているという。具体的にはデータの一部が失われた場合、受信側で欠落したデータを代数方程式を解くことで埋め合わせることができるらしい。
各記事では「coded TCP」は、積極的にハードメーカーにライセンス供与されており、近いうちに商品としてそれを見ることができるだろうとしている。
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