まちびらきまで約半年、最後の一等地はどう変わるのか
2012年10月24日 11:00
一日の平均乗降者数約250万人。日本第2の都市圏・関西の中心部にあり、最後の一等地として開発が進められている大阪駅北地区、通称「うめきた」。その先行開発区域である「グランフロント大阪」が、来年4月下旬の「まちびらき」を半年後に控え、徐々にその片鱗を見せ始めている。
梅田貨物駅を中心とする「うめきた」は約24ha。先行開発区域「グランフロント大阪」は、その内の約7haを占め、さらにA~Cの3つのブロックに大別される。
「アジア・世界のゲートウェイ」を標榜する「グランフロント大阪」の玄関口となるAブロックは、地下3階、地上38階からなるオフィス・ライフスタイル提案型商業施設。このAブロックの地下1階から地上2階の約5000㎡に、パナソニックブランドのグローバル情報受発信拠点となるコーポレートショールーム「パナソニックセンター大阪」が展開されると発表されている。「パナソニックセンター大阪」では最新商品を展示。さらに、セミナー・ワークショップの開催や住まいのトータルソリューション提唱なども実施する、体験・参加型のショールームになる予定だという。
南北2棟のタワーを持つBブロックには、Aブロックと同様のオフィスや商業施設に加え、国際水準のホテル・サービスアパートメント・コンベンションを配置。さらに、グランフロント大阪の中核施設となる「ナレッジキャピタル」がこのブロックの低層階に入る。ここには、様々な業種の企業や大学などが一歩先の未来を提案し、生活者とコミュニケーションを行う空間「フューチャ―ライフショールーム(FLS)」が設置され、KDDIやソフトバンクモバイル、コカ・コーラウエストやサントリー酒類、ロート製薬に淀川キリスト教病院、積水ハウスやメルセデス・ベンツ日本などが参画し、テナントを出店する。
Cブロックでは、これまでにない都市居住スタイルを提案する高品位な分譲マンション「グランフロント大阪オーナーズタワー」が、積水ハウスをプロジェクトリーダーとして建設中である。コンセプトは「ザ・ホテル」。本物の高級ホテル空間をマンションに具現化しており、都市立地ならではのクオリティの高い防犯・安全性能を誇るという。既に分譲は佳境を迎えており、現在までに販売された戸数(全体の90%程度)の内、約95%が既に成約済み、63戸ある1億円以上の住戸は完売しており、4億1500万円の最高額物件も販売済みとなっている。8月の近畿圏マンション市場は、契約率前年月比9.6%増の77.8%と好調であるが、それをはるかに上回る契約率となっている。
その他、AブロックとBブロックにまたがる「グランフロント大阪 ショップ&レストラン」には、「お散歩」をキ―コンセプトに、水景と豊かな緑に囲まれた屋外回廊や屋上緑地を含めて10000㎡を超える庭園と吹き抜けを設け、施設内各所に計15店ものカフェも配置。また全体では、関西旗艦店と「ここにしかない」266もの店舗が出店し、「ここだけ」「本物」を提供するという。さらに、まちと来場者を繋ぐ幅広い「コミュニケーション・プラットフォーム」を整備し、まちにいる人同士の情報共有や新たな関係作り、まちを舞台とした自己実現を支援したり、約20種類もの街メディアを整備して情報発信の場とするなど、多くの新たな試みが予定されている。
大阪に、そして関西に人を呼び込むための切り札となる大阪駅北地域の再開発。その皮切りとなる「グランフロント大阪」は、絶対に失敗の出来ないプロジェクトである。大阪の、強いては関西の経済の命運を握っていると言えるものであるだけに、魅力あるコンテンツが継続的に展開される場となることを期待したい。