西友、直輸入強化に向けて新スキームを導入 ウォルマート調達網を最大活用

2012年10月23日 20:45

 西友は23日、親会社の米ウォルマート・ストアーズのグローバル調達網を最大限活用した新たな直輸入スキームを導入すると発表した。これにより、低価格で高品質な直輸入商品を拡充し、直輸入商品の売上を今後5年間で現在の2倍に伸長する計画。

 直輸入強化に向け、今年4月には「輸入事業部」を新設し、直輸入業務を一括してスピーディーに実行できる組織体制構築に向けて人員強化を行っている。輸入事業部内には、商品本部が持つ新規商品のニーズをタイムリーに吸い上げ各調達拠点と調整するチーム、また、その商品輸入のためにグループ内輸出専門会社と物流面の調整および輸入関連事務手続きを一括して担当するチームを編成し、両チームは連携しながら直輸入プロセスをスムーズに実行する。また、輸入に関する知識と経験が豊富な人材の新規採用も積極的に実施している。

 また、西友が加工食品や青果商品を輸入する際の発注窓口を、ウォルマート傘下の英国スーパーマーケット「アズダ」の輸出専門子会社「IPL」に一元化する新しい仕組みを導入する。従来は、西友が約30社の各取引先と個別に交渉、取引を実施していたが、今後は西友からの発注窓口をIPLに一元化する。これにより、仕入プロセスが簡素化され、効率が上がるだけでなく、IPLが日本のみならず各国からの発注を一挙にまとめて交渉、取引することでスケールメリットを活かし、より好条件での仕入れが可能となる。

 また、今回新たにIPL内に日本専門デスクを設置した。これにより、日本独自のニーズに合う商品をスムーズに調達するためのきめ細やかなサポートを享受できるようになる。

 さらに、アズダの専属チームが一括して工場監査等の品質管理体制を敷くことで、品質管理の面でもグループ内で一貫した基準の徹底と現地でのスピーディーな対応が可能となる。なお、同スキームを活用した加工食品の直輸入は、ウォルマートグループの中で日本が初めて他国に先駆けて実施するもの。

 生鮮食品の輸入においては、取引先からの購入、輸出、輸入、加工、物流の全ての工程において、米国ウォルマートおよび西友にて一括管理が可能となる新たな直輸入モデルを導入する。従来は、外部商社を介して"輸入"していたところを、今後はウォルマートグループ内のリソースで、輸出入含め全ての工程を管理することで中間流通コストを大幅に削減する。また、米国ウォルマートを通じて取引先とダイレクトに価格交渉を行うことでよりスピーディーな仕入れが可能となる。西友では、すでに、このウォルマート一括管理の直輸入モデルによる米国産牛肉のパイロット輸入を開始しており、来春にはこの新しいスキームを利用し、直輸入された商品が店頭に並ぶ予定。

 なお、2013年1月より、IPL一元化スキームを活用した直輸入商品が続々と発売となる。たとえば、「グレートバリュー バルサミコ酢(198円)」や「アズダ テイクアブレイクミルクチョコレート各種(各198円)」、「アズダ エクストラ・スペシャル ジェントルマンジャック/ゴールデンエール(各310円)」のように、国内では西友でのみ購入できる魅力ある商品を圧倒的低価格で販売していく。

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