豊田自動織機、米フォークリフト部品大手のカスケードを約600億円で買収

2012年10月23日 10:58

 豊田自動織機は22日、米国のフォークリフト用アタッチメント製造・販売事業世界最大手であるCascade Corporation(カスケード社)と、豊田自動織機が株式公開買付け(TOB)によりカスケード社を買収することについて合意したと発表した。豊田自動織機は、米国で新たに設立する子会社を通じた公開買付けにより、カスケード社の発行済普通株式の総数(完全希薄化ベース)を総額約7億5900万ドル(約600億円)で取得し、同社を完全子会社にする。買収資金は手元資金で充当する予定。

 今回の買収は友好的なものであり、豊田自動織機およびカスケード社の両取締役会は同買収を既に承認している。また、カスケード社の大株主であるRobert C. Warren, Jr.は同買収について賛同しており、同買収の条件はカスケード社およびその株主にとって望ましく、公正かつ有益なものと判断しているという。なお、同買収完了のためには、公開買付け後の合併手続き、独占禁止法に基づく条件の充足その他一般的な前提条件を満たすことが必要となる。

 豊田自動織機は顧客の物流効率化への貢献を目指し、フォークリフトを中心とする産業車両の開発・製造・販売をグローバルに展開し、トップブランドとして先進の商品と高品質なサービスを世界の顧客に提供している。

 カスケード社は、荷役作業を効率化する多様なフォークリフト用アタッチメント(フォークリフトのフォークの代わりに装着し、荷物を直接つかんだり、回転させたりし、様々な作業を効率化する機器)を手がける世界トップメーカーで、同社の顧客ニーズへのきめ細かな対応は世界のフォークリフトメーカーおよびユーザーから高く評価されている。カスケード社は、グローバルかつ効率的な設計・生産体制をもとにした優れたカスタマイズ対応力を有しており、北米・欧州等の先進国をはじめ、成長著しい新興国市場においても積極的な事業展開を行っている。

 新興国を中心としたフォークリフト市場の成長と物流ニーズの多様化の進展を背景に、フォークリフト用アタッチメントの需要は今後も拡大していくと予想される。こうした中、豊田自動織機はカスケード社を連結子会社化することにより、新たにアタッチメントを加えて事業領域を広げることで、顧客の物流ニーズにより幅広く対応し、産業車両事業の一層の成長を目指す。

 なお、カスケード社の経営体制・方針等は豊田自動織機による連結子会社化後も従来と大きな変更はない見込み。

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