アルファ・ケンタウリを周回する惑星が発見される

2012年10月18日 16:34

T.Sawamoto 曰く、 天文学者Phil Plait氏のブログBad Astronomyで、ヨーロッパ南天天文台(ESO)が私達の太陽系に最も近い恒星アルファ・ケンタウリを巡る地球型惑星を発見した、という驚くべき報告が紹介されています(ESO発表本家記事)。

 太陽系から4.3光年の距離にあるアルファ・ケンタウリ(ケンタウルス座アルファ星)は三重星で、太陽より若干大きい主系列星A、やや小ぶりの主系列星B、少し離れた赤色矮星C(プロキシマ・ケンタウリ)の三つの恒星からなります。今回惑星が発見されたのはB星で、専門的には"Alpha Centauri Bb"と呼ばれることになるようです。

 なお、この惑星の質量は地球の1.13倍と地球に類似しているのですが、B星からの距離は600万km(太陽-水星間の10分の1)、公転周期3.24日と非常に恒星に近いため、かなり熱いことが予想されます。残念ながら、将来移住できるような惑星ではなさそうですね(^^;)

 Phil Plait氏は今回の発見の重要な点として、アルファ・ケンタウリはこれまで幾度も探査されながらも惑星発見に至らなかったこと、そして小型惑星からの信号が非常に弱いことを挙げています。"Alpha Centauri Bb"の発見は、B星からの光が惑星の周回によりごくわずかにドップラー遷移を引き起こしていることを検出したもので、Plait氏はESOの偉業に賞賛を送っています。

 1990年代以後、多数の太陽系外惑星が発見されてきていますが、今回の発見はその中で最も太陽系に近いものになります。最近傍のアルファ・ケンタウリに地球型惑星が確認されたことを考えると、他の多くの恒星にも同様の惑星が周回している可能性がぐっと増したと言えるのではないでしょうか。

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