三菱商事がインドネシアで地熱発電の運営・開発に参画
2012年10月18日 11:00
三菱商事が、インドネシアのジャワ島において2000年以来、安定して商業運転を続けているワヤン・ウィンドゥ地熱発電所等の運営を統括するStar Energy Geothermal Pte Ltd.(スターエナジー社)の株式20%を取得すると発表。三菱商事としては、インドネシアでの、また、地熱分野においても初めての発電事業への参画であり、また、日本企業として初めてインドネシアの地熱発電に運営まで関与することとなる。
ワヤン・ウィンドゥ地熱発電所は、約13000ヘクタールの契約鉱区を有し、発電規模は42万キロワットと世界最大級の地熱発電所で、また、広大な茶畑の中にあり、環境に配慮した世界で最も美しい地熱発電所としても知られている。同発電所は現在23万キロワットが稼働中なものの、今後の増設計画も高い確度で見込め、増設計画が実現した場合の本発電所の総事業費は約10億ドル程度と見込まれているという。
インドネシアは、内需主導で現在も高い経済成長を維持しており、人口・産業が集中するジャワ島においては中長期的に年率7-8%の高い電力需要の伸びが見込まれている。そのため同国では、新規電源開発を国家的な課題としており、中でも、他の再生可能エネルギーに比して高稼働率を誇り且つ環境への負荷が低い、国産エネルギーたる地熱発電の開発に注力する方針を掲げている。同方針に基づき、インドネシアでは、今後2020年までに総計約600万キロワットにも上る新規地熱発電案件の開発が計画されているという。一方で三菱商事は、中期経営計画にて、2015年までに全世界での持分容量を現在の430万キロワットから600万キロワットに引き上げ、うち約1-2割を、地熱・風力・太陽光などの再生可能エネルギーで賄う計画を掲げている。
諸外国における地熱発電所に対して日本企業は積極的に参画しており、発電システムの受注等も少なくない。しかし、日本国内における地熱発電は一向に進んでいない状況にある。法規制等の障害は多々あるであろうが、一刻も早く、日本国内での開発が進むことを期待したい。