日産、「緊急操舵回避支援システム」を開発

2012年10月17日 12:41

 日産自動車は17日、回避支援を行う安全技術である「緊急操舵回避支援システム」を開発したと発表した。

 同システムは、ブレーキでは衝突を避けることが難しい状況において障害物に衝突しそうになった際、自動ブレーキだけでなく自動操舵も行うことにより、高度な回避の支援を行うシステム。低速域での急な飛び出しのような予測できないリスクが発生した場合、また、ドライバーの認知の遅れにより高速で渋滞末尾に追突しそうになった場合などにその効果は発揮される。

 日産は、衝突事故の回避を支援する技術として、ブレーキによる制御技術の開発、市販化を行ってきた。さらにその効果を高めるため、ブレーキだけではカバーできない事故にも対応することが可能な技術の開発を進めてきた。

 ステアリングでの回避を行うには、回避するエリアに障害物がないことを検知する必要があり、常に周囲を検知し判断するという高度な技術が必要となる。日産は今まで培ってきた高度なセンシング技術と、車載コンピュータ(電子制御装置、ECU)による制御技術により、ブレーキだけでは間に合わない場合、自動でステアリングを切り、側方への回避を支援する技術を開発することに成功した。

 同システムは、車両前方のレーダーとカメラ、車両左右後方の2個のレーダー、周囲にとりつけられた5個のレーザースキャナーからの情報をもとに、まず「ブレーキでは回避できない衝突リスク」を察知する。同時に前方に障害物の無い回避ゾーンがあること、後側方から接近する車両がないことを確認し、ドライバーにステアリングを切るべき方向を示し、ドライバーが直ちに操舵できない場合には、自動で操舵して衝突の回避を支援する。

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