住友商事と三菱重工、インドネシアでジャワ幹線鉄道の電化・複々線化工事を受注

2012年10月11日 11:50

 住友商事および三菱重工業は10日、インドネシアの首都ジャカルタ近郊の幹線鉄道電化・複々線化工事「Package B-1」を総額約210億円で受注し、10月10日にインドネシア運輸省鉄道総局と契約締結に至ったと発表した。

 同案件は、日本政府からインドネシア政府へ供与される特別円借款により実施される鉄道プロジェクトであり、ジャカルタ首都圏のブカシ線(マンガライ~ブカシ~チカラン)を電化・複々線化する案件。

 マンガライ~ブカシ間(15キロメートル)では、ジャワ幹線鉄道(長距離線)とジャボタベック鉄道(通勤線)の線路共用を分離・解消し、運行効率化を図る。またブカシ~チカラン間(17キロメートル)では、日系企業を中心とする工業団地、住宅開発で需要が拡大する通勤鉄道の電化・延伸を図る、同国の鉄道セクターにおける最重要案件の一つ。

 今回契約を締結した「Package B-1」は、路線内のマンガライ駅の架線改良、ブカシ~チカラン間(17キロメートル)の電化工事、全線の既設信号の置換え、変電所建設等が契約対象となっている。完成は2016年末を見込む。

 なお、同案件は、既存の鉄道が運行する中での輸送力増強工事となるため、日本の優れた鉄道技術を最大限に活用し、夜間など限られた時間内で工事を実施する難度の高いプロジェクトとなる。

 住友商事と三菱重工は2007年に円借款によるジャカルタ首都圏のデポック車輌基地建設を完工しており、今回の案件はこれに続く受注となる。

関連記事

最新記事