トヨタ、マイクロソフトプラットフォームを情報共有基盤として全面採用

2012年10月3日 11:56

 日本マイクロソフトは2日、トヨタ自動車におけるITを活用したグローバルなコミュニケーション基盤に、マイクロソフトプラットフォームが全面採用されたと発表した。今回のトヨタのグローバルコミュニケーション基盤におけるマイクロソフトプラットフォームの全面採用は、マイクロソフトにとって世界最大規模の導入事例となる。

 マイクロソフトコーポレーションとトヨタは、2011年4月に、マイクロソフトのクラウドプラットフォーム「Windows Azure」をベースとしたトヨタの次世代テレマティクス向けグローバルクラウドプラットフォームの構築に向けた戦略的提携について基本合意し、その後、トヨタ社内グローバルでのITシステム構築にあたり協力関係を強化している。今回の案件は両社の協力関係の柱となるプロジェクトであり、トヨタがグローバルに目指している「機動力のある働き方」、「知見/情報の共有」、「会議の高度化」を強力に推進していく基盤となり、マイクロソフトが全面的に支援していくもの。

 今回のトヨタのマイクロソフトプラットフォーム採用に合わせ、両社はグローバルライセンスアグリーメントを締結し(2012年6月)、トヨタはマイクロソフトの法人企業向け中核製品(各種サーバー製品群、Windows、Officeなど)を優位的かつ全面的に利用できるようになった。また、マイクロソフトの新製品リリース前の試作版の先行評価プログラムにも参加し、新しい基盤を常に利用し続けるための仕組み、体制を両社で整備していく。

 なお、米国トヨタ自動車販売など北米におけるトヨタの関連事業体では、先行してマイクロソフトのクラウドサービス「Office 365」を通常の共有環境の利用ではなく、トヨタ専用の環境にて契約し、2012年6月より稼働を開始している。一方でトヨタは、国内でオンプレミス方式やプライベートクラウド方式にてマイクロソフト製品群を2012年8月より導入しており、2013年前半にはクラウドとオンプレミスの連携をマイクロソフトのハイブリッドクラウド技術で実現する。マイクロソフトは技術コンサルタントをプロジェクトに参加させ、ハイブリッド型でのシステム連携方針を策定した。

 今後マイクロソフトは、トヨタの目指す「関連会社を含むグローバル約20万ユーザーへの展開を2014年までに完了すること」を支援し、トヨタのグローバルビジネスの更なる推進に向け、社員間の情報共有の円滑化を支援する。また、マイクロソフトは、業務効率と判断スピード迅速化のためのソリューション提供、共通基盤を利用することでITコスト削減を図る計画をバックアップし、その実現に向けて体制を強化し、全面的な支援を行う。

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