ソフトバンクがイー・アクセスを買収、来年2月に株式交換で完全子会社化

2012年10月1日 18:41

 ソフトバンクとイー・アクセスは1日、ソフトバンクを株式交換完全親会社、イー・アクセスを株式交換完全子会社とする株式交換契約を本日締結したと発表した。これにより、来年2月にソフトバンクがイー・アクセスを買収し、完全子会社化する。

 株式交換の効力発生日は2013年2月28日の予定。なお、ソフトバンクとイー・アクセスとの株式交換が株主総会の承認等を得て実施される場合、株式交換の効力発生日に先立つ2013年2月下旬に、イー・アクセスの普通株式は東京証券取引所において上場廃止となる見込み。

 ソフトバンクがイー・アクセスを同社の完全子会社にすることで、相互の経営資源を迅速かつ効率的に活用できる体制を築くことができ、モバイルブロードバンドの普及を一段と加速させていくことが可能になる。なお、株式交換後も、イー・アクセスの「イー・モバイル」ブランドでのモバイル事業は継続する予定であり、モバイル事業と固定通信事業を含めたイー・アクセスの事業の基本方針の変更は現時点で予定していないという。

 また、今回、ソフトバンクの連結子会社であるソフトバンクモバイルとイー・アクセスは業務提携基本合意書を締結した。今後、ソフトバンクモバイルとイー・アクセスは、移動体通信サービスのネットワークを相互に活用していく。具体的には、ソフトバンクモバイルはイー・アクセスに対し、900MHz帯及び2.1GHz帯のネットワークを提供する。これにより、イー・アクセスは音声及びデータ通信サービスをより広範囲に提供することが可能になる。一方、イー・アクセスはソフトバンクモバイルに対し、データ通信サービス用に1.7GHz帯のFDD-LTE方式のネットワークを提供する。これにより、ソフトバンクモバイルは、2.1GHz帯と1.7GHz帯の両方でFDD-LTEサービスを提供することが可能になる。

 また、ソフトバンクモバイル及びイー・アクセスは、相互に提供するネットワークに係る基地局のロケーションについて協議し、効率性の観点からロケーションの共用化や基地局の新設、移転等を行う。これにより短期間でのカバレッジエリアの拡大、設備投資額及びランニングコストの削減が可能になる。

 さらに、ソフトバンクモバイルの取扱店は約7,000店(2012年8月末現在)、イー・アクセスの取扱店は約2,000店(2012年8月末現在)あるが、ソフトバンクモバイル及びイー・アクセスはそれぞれの取扱店で相互のサービス・商品を積極的に販売していく。また、ソフトバンクグループで法人営業を担うソフトバンクテレコムがイー・アクセス(「イー・モバイル」ブランド)のサービス・商品も販売する。移動体通信サービスのネットワークの相互活用によって双方のサービスの競争力が向上することに加えて、こうした取り組みにより営業力の強化を図り、顧客基盤を一層拡大させていく。

 加えて、営業力の強化により携帯端末の販売台数の増加が見込まれることから、調達台数の増加や共同調達等によるボリュームメリットを通じて携帯端末の調達単価の低減も見込まれる。また、イー・アクセスの移動体通信サービス及びADSLサービスのバックボーンと、ソフトバンクグループのバックボーンを共用し、コスト低減を図る。

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