IHI、国内最大の車載型3600kW移動電源車を東電の原発2箇所に納入
2012年9月26日 17:12
IHIは26日、同社の子会社であるIHIジェットサービスが、東京電力柏崎刈羽原子力発電所および福島第二原子力発電所向けに、国内最大となる車載型の3,600kW移動電源車を納入したと発表した。
今回納入した電源車は、ロールスロイス製航空機転用型ガスタービンを25トントラックに搭載したもので、コンパクトで大容量かつ機動性に富んだ発電システム。また、今回搭載されているガスタービンは一軸式のガスタービンであり、原子炉冷却用の大容量ポンプの電動機を直接駆動することができるなど、応答性に優れており、原子力発電所のバックアップ電源に適している。同電源車は、2011年6月の受注から約1年という短期間での納入を実現し、今年7月および9月に正式納車した。
同移動電源車の特徴は、「25トントラックに発電機とガスタービンを、同じく15トントラックに制御装置、バッテリー、燃料タンク等を搭載する2台で一組の構成」、「大型トラック免許で運転ができ、一般道の走行も可能」、「車載型としては国内最大となる3,600kWの発電能力(一般家庭約10,000軒分の発電能力)」、「航空機転用型ガスタービンを搭載しているため、ディーゼル機関駆動に比べ、立ち上がりが早く、緊急時にも即時に対応できる」、「耐震性にも優れ、東日本大震災級の地震などにも耐えられる」など。
IHIジェットサービスの移動電源車は、コンパクトで大出力、応答性の速さなどが評価されており、これまでに800~3600kWの移動電源車を国内電力会社や通信会社などに40台納入している。同社では、納入した移動電源車のメンテナンスも行っており、移動電源車の安定した運用に貢献している。また、今回、同電源車のガスタービンを製造しているロールスロイス社とHeavy Maintenance Center(主整備工場)としての契約、認定を得ており、今後はメンテナンス事業をさらに拡大していく。
IHIジェットサービスでは、今後、国内原子力発電所向けだけでなく、通信会社・燃料会社などにも非常用電源として移動電源車を拡販し、さらなる事業の拡大を目指す。