望遠鏡開発に学ぶタイムマネジメントスキルの重要性

2012年9月25日 20:11

 より良い方法で整理を始める踏ん切りがつきませんか。もしそうだったら、およそ650キロメートル上空を見上げてください。そこにはハッブル宇宙望遠鏡があり、97分で地球を一周しています。

 1990年代初頭、ハッブル宇宙望遠鏡にはエンジニアによるミラーレンズの調整ミスで人間の毛髪の50分の1のゆがみが生じ、修理に8百万ドルかかりました。訓練を受けた専門家でさえ見落としたごくわずかな歪み一つでこのように高くつくのなら、整理ができていないマネジャーや管理担当者の手に情報がわたり同様のミスが起こった場合はいくらかかることでしょうか!

 もちろん規模はまったく違いますが、昨今の困難な時代では、一度約束を守れなかったり重要な情報を探し回るのに一時間かけたりしていたら、どのぐらい高くつくか想像してみてください。

 人は四方八方から押し寄せてくるように思える問題に気を取られやすいものです。一日中そういった問題を取り除くための“消火活動”に当たるとなれば気分も高揚するかもしれません。

 しかし、そうしたことに時間を費やすのは、作業に優先順位をつけたり、自分のタイムマネジメント戦略の形を整えたり、タイムマネジメント・トレーニングのコースに参加したりすることと同じように、本当によい時間の使い方なのでしょうか。

 整理ができないマネジャーや経営者では本当の意味での良い結果はついてきません。そのような人は、あるべき場所になかった書類を見つけたり約束の予定を書き間違えていたことに気付いたりするだけで大きな達成感を覚えますが、そのような些細な勝利は例外的な出来事であるべきなのです。整理整頓に時間と意識を少し注いでみましょう。大きな節約につながるはずです。

 重要な情報や資料の保管場所をきちんと把握することは、日々の生産的な活動を低下させるよりむしろ活性化するのに役立ち、人が行う事務作業の中でもっとも生産的なものになりうるのです。

 “消火活動”の道具に投資する代わりに、効果のある“防災システム”を作ってはどうでしょうか。

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