人間の脳と120万画素のカメラを組み合わせた軍用監視システム
2012年9月21日 20:16
taraiok 曰く、 米DARPA(国防高等研究計画局)は120万画素のカメラ、脳波スキャナ、視覚処理アルゴリズムと複数のコンピュータを組み合わせた「コグニティブ技術危険通報システム(CT2WS)」のプロトタイプ製造に成功したと発表した。
このシステムは、簡単に言えば戦場の様子を監視するための監視カメラ。特殊な機能としては、監視を行う兵士の脳波をモニターする機能を備えていることだ。人間の意識下では、カメラ上に敵戦闘員の気配があったとしても、本当にそれが敵なのか判断するのに若干の時間がかかる。しかしDARPAによれぱ、人間は違和感の検出に本質的に熟達しており、意識上での認知には時間がかかっても、人間の脳自体はこうした情報を検知することができるという(EXTREMETECH、DARPAリリース、本家/.)。
そこでCT2WSでは、兵士の脳にある潜在意識のパターンをチェックし、兵士が自覚する前に危険を察知、オペレータに毎秒10枚の画像を表示することで警告、迅速な対処を行うとしている。
これまでハワイやカリフォルニアのロバーツキャンプ、アリゾナ州のユマ試験場でのフィールドテストでは、木の枝が風で揺れたり小鳥の影を見た場合、人間の脳は1時間あたり810回ほどの誤報を出すという。このような誤認識も、コンピューター処理で対象物を画像で強調処理し、視覚的なフィルタリングを行うことで、1時間に5回程度まで誤報を減らすことができるらしい。
なお、現時点でのシステム全体での検出成功精度は91%であるとしている。誤検出を減らすだけでなく、携帯可能なサイズまで小型化することを目的にしている。最大の課題はバッテリーの確保にあるようだ。
スラッシュドットのコメントを読む | サイエンスセクション | 軍事 | バイオテック
関連ストーリー:
人間の脳はマルチタスクには向いていない 2012年09月21日
相次ぐ女児連れ去りの原因は「ゲーム脳」……? 2012年09月14日
マウスの視覚をリバースエンジニアリングして人工義眼を作る 2012年08月17日