ワープ航法の実現可能性は意外に高い?

2012年9月21日 14:39

taraiok 曰く、 9月14日に行われた恒星間宇宙飛行の課題を議論するイベント「100 Year Starship Symposium」で、NASA・ジョンソン宇宙センターに所属するHarold Sonny White氏が、「これまでワープ航法は不可能という前提だったが、その不可能から少し希望が持てるレベルにまで変化しそうだ」と述べたそうだ(DiscoveryNewsGigazinewikipediaのワープの項目本家/.)。

 ワープ航法については、1994年にメキシコの物理学者Miguel Alcubierreがスタートレックのワープ航法をヒントにして考案した「Alcubierre drive」が理論的に実現可能性のあるものとして知られている。この航法は、超巨大なリング型装置の中央に楕円形の宇宙船を配置。宇宙船の前方の空間を収縮、後方の空間を膨張させる時空を生み出し、宇宙船は平坦な時空の泡の中にいることでワープさせるものだという。しかし、この航法では最低でも木星の質量エネルギーに等しいエネルギーが必要とされているため、実現可能性があるとは考えられていなかった。

 Harold Sonny White氏は、宇宙船を包むリング装置の形状を再検討し、水平な輪っかではなく、丸いドーナツ状ならどうなるかを検証した。その結果、1977年に打ち上げたボイジャー1号程度のエネルギーでワープ航法が可能という結論に至ったという。すでにHarold Sonny White氏らの研究チームは実験室でこの理論を使ったワープドライブの縮小版を作り、技術検証を始めたとしている。

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