映画『Pieta』、観客17万人突破後も止まらぬ勢い―特集番組の放送でさらに話題に

2012年9月14日 15:38

 世界三大映画祭である第69回ヴェネツィア国際映画祭で、韓国映画史上初の金獅子賞(Golden Lion)を受賞した映画『Pieta(ピエタ)』(製作:キム・ギドク フィルム、提供/配給:NEW、封切り:9月6日)が、一日で4万人を集客し、ボックスオフィスランキングで前日よりワンランクアップの2位となった。

 封切り以来、観客数が上昇し続け、気がつけば観客17万人を突破し、上映館数も大幅に増加中だ。封切り2週目を迎えてますます期待が高まっている中、キム・ギドク監督の日常にスポットを当てたKBS1水曜企画特集ドキュメンタリー『リアル キム・ギドク』が放送され、さらに話題を集めている。

 KBS 9時のニュースにまで紹介されるほど全国民の関心を集め、その日11時40分から放送されたKBS1水曜企画特集ドキュメンタリー『リアル キム・ギドク』は、今年4月から取材がスタートして映画『Pieta』のポスター撮影現場、海外映画祭訪問現場など、彼の日々の生活の断片が紹介された。

 第69回ヴェネツィア国際映画祭で韓国映画史上初の金獅子賞を受賞し、もはや彼の顔を知らない人がいないほど有名になったキム・ギドク監督。しかし、そのほんの3ヵ月前に第15回上海国際映画祭の招待を受けた際は、特別な同行者もなく身軽な感じで海外日程をこなす姿を見せており、その違いに視聴者たちは驚いたという。また、映画『アリラン』にも登場した実際の自宅で見せる田舎のおじさん風な気さくな日常の姿もまた、視聴者たちに強い印象を残した。

 映画界の各有名人のインタビューもまた目を引いた。2006年、映画『長江哀歌(三峡好人)-Still Life-』でヴェネツィア国際映画祭金獅子賞を受賞した中国の巨匠ジャ・ジャンクー監督は、「キム・ギドク監督は独自の路線を歩んできた優れた監督だ。 私はキム・ギドク監督の友人になりたい』と尊敬の意を表わした。

 ヴェネツィア国際映画祭の執行委員長アルベルト・バルベラは、「1999年に初めて執行委員長を引き受けた時、すでにコンペティション部門の招待作品が全て選ばれていたが、最後にあまり知られていなかったキム・ギドク監督の『魚と寝る女』を観ることになった。 強烈な映像、創作力、キム・ギドクが表現する残酷さに深く感銘を受け、既存のどの映画にも見られなかった新鮮さを感じた。それで『魚と寝る女』をコンペティション部門の招待作品に選んだ」と、初めてキム・ギドク監督の映画に出会った時の強烈な衝撃を振り返った。

 続いて、「キム・ギドク監督の映画は西側の世界に韓国映画を知らせる最初の出発点になったと思う。 以前は非常に偏向的で制限的だった」と伝え、韓国映画を西側世界に知らせる上で、キム・ギドク監督が重要な役割を果たしたという点を強調した。

 韓国を代表する映画評論家チョン・ソンイルもまたキム・ギドク監督の映画について、「キム・ギドク監督が一つの座標のような役割を果たしている。彼に対して抵抗を示す人はいても、無関心だという人には出会ったことがない」と明らかにした。

 キム・ギドク監督はインタビューを通じて、「タイミングがあると思っている。今ではないが、いつかタイミングが合って人々が私の映画を観てみようと思ってくれるようになることを信じている」と話した。今回のKBS特集ドキュメンタリーは、第69回ヴェネツィア国際映画祭の最高栄誉である金獅子賞を受賞する前に撮影されたもので、その余波と高い作品性により映画『Pieta』は連日高い観客数上昇率を見せながら韓国全国で上映中だ。

 同映画はキム・ギドク監督の作品中で最も多い150ヶ所のスクリーンで封切され、爆発的な関心が集まる中、現在では約290ヶ所のスクリーンで上映されており、さらに続々と上映館が増えていっている。また、すでに171,522人の観客数を記録した現在も依然として粘り強い上昇の勢いを見せており、近い将来、損益分岐点(25万人)に達する見込を見せている。 (翻訳:中川)

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