村田製作所が自動車向け積層セラミックコンデンサを量産開始

2012年9月13日 11:00

 村田製作所が、150℃で使用可能なX8R特性の、1005サイズおよび1608サイズでは世界最大となる容量拡大を実現した「自動車向けチップ積層セラミックコンデンサ」の量産を開始したと発表。導電性接着剤実装に対応しており、はんだクラックの問題を解決することにも成功している。

 近年の自動車市場では、高効率化・耐環境性能の向上が重視されており、より緻密な制御を行うため、電子部品もエンジンやトランスミッションなどの近くに配置されることが多くなってきている。そのため、150℃の高温環境下で使用可能なコンデンサへの要求が強くなっているという。また、電装化が進むにつれ部品搭載スペースの削減も必要となっており、自動車向け小型品である1005サイズ、1608サイズの需要が高まっている。これらの需要に対し村田製作所は、新材料の開発により同サイズの容量拡大を実現。X8R特性では世界最大容量だという。さらに新商品は、外部電極にAgPd電極を採用することで導電性接着剤での実装を可能としており、温度サイクルで問題となるはんだクラックを解消することができる。

 半導体関連の製品は、開発は国内で行われるものの、量産は海外で実施されることが多い。しかし本製品はすでに7月から出雲村田製作所にて量産を開始しているという。日本国内での量産ということで、コスト面での懸念はあるかもしれないが、企業や製品に対する信用は向上するのではないだろうか。

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