東電、取締役会の諮問機関として新組織を設置 外部専門家が監視・主導

2012年9月11日 21:52

 東京電力はこれまで、新経営体制の下、福島第一原子力発電所事故に関する国会や政府の事故調査報告書等を踏まえた対応について検討してきたが、経営体質や安全文化の改革を推進するため、9月11日付けで取締役会の諮問機関として「原子力改革監視委員会」および「調査検証プロジェクトチーム」を設置すると同時に、社長をトップとする「原子力改革特別タスクフォース」を設置することとしたと、11日発表した。

 同諮問機関は、基本方針として、外部専門家が監視・主導する体制とし、国外も含め、「外部の目、外部の専門知識」を最大限活用していく。例えば、今回設置された「原子力改革監視委員会」は、元米国原子力規制委員会(NRC)委員長のデール・クライン氏、ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長の大前研一氏、元国会東京電力福島原子力発電所事故調査委員会委員、元名古屋高等検察庁検事長の櫻井正史氏を主な構成メンバーとしている。同委員会は、取締役会の諮問機関として設置し、改革の実行を厳しく監督する役割を担う。

 また、福島第一原子力発電所事故に関する各事故調査委員会の主要論点を踏まえ、必要な調査・検証を行うとともに、課題と対策強化の方向性を指導してもらうため、社外専門家を中心とする「調査検証プロジェクトチーム」を取締役会の諮問機関として設置し、「原子力改革監視委員会」と一体的に運営する。

 さらに、「原子力改革監視委員会」の監督の下、社長をトップとする「原子力改革特別タスクフォース」を設置し、安全文化、安全対策、防災、リスク・危機管理、情報公開・リスクコミュニケーション等の改革を迅速かつ強力に推進する。なお、必要な改革を迅速かつ強力に実行するため、社長直轄の組織として「原子力改革特別タスクフォース事務局」を設置する。

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