ユニチカ、セシウム吸着繊維材を開発 復興地域での採用目指す

2012年9月11日 16:15

 ユニチカトレーディングは11日、東日本大震災の復興支援を目的に、瓦礫やゴミ処分場焼却灰などから漏れ出し、水中に溶出しているセシウムを選択的に吸着させることが可能なプルシアンブルーを利用したセシウム吸着繊維材「CSCATCHER(シーエスキャッチャー)」を、独立行政法人産業技術総合研究所との共同研究によって開発したと発表した。

 「CSCATCHER」で使用するプルシアンブルーは、産総研の独自技術によりナノサイズ化したもので、通常のプルシアンブルーよりも表面積が圧倒的に大きく、より高いセシウム吸着性能を示す。また、「CSCATCHER」は、放射性セシウムを吸着したプルシアンブルーが繊維から脱落することによる二次汚染を低く抑えることが可能。さらに、綿・糸・織編物・不織布等、さまざまな形態の繊維材料への適用が可能で、多くの用途への対応が可能。

 今後ユニチカトレーディングは、セシウム吸着繊維材「CSCATCHER」を、高い吸着性能やさまざまな形態の繊維材料への適用が可能などの特長を活かし、焼却炉の灰に含まれるセシウムの吸着や、農業用水のフィルターなど除染に関わるさまざまな用途に提案し、復興地域での採用を目指す。また、ユニチカグループでは、“復興地域再生支援チーム”を立ち上げ、不織布や産業資材、繊維、環境調査・計測などの各分野でこれまで蓄積してきた技術や実績を活かし、復興地域再生をサポートしていく。

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