アイドルストップ中の車室内温度上昇を抑制、デンソーが開発

2012年9月7日 16:08

 デンソーは7日、アイドルストップの際にエンジンが停止した状態でも車室内の温度上昇の抑制を可能とする新型エバポレーター「蓄冷エバポレーター(Cold Storage Evaporator)」を開発したと発表した。

 エバポレーターとは、エンジンの動力で作動するエアコンサイクルの構成部品で、冷たい冷媒が暖かい空気と熱交換を行い、車室内への冷気の供給、除湿などを行っている。今回開発したCSエバポレーターは熱交換部分に蓄冷材を備えており、ここにエアコン作動時に蓄冷しておくことで、アイドルストップによるエンジン停止時にも車室内に冷気を供給し、車室内の温度上昇を抑制することを可能にしている。

 これまでのエアコンは、アイドルストップ時にはエアコンサイクルも停止するため、冷気の供給ができなくなり、車室内の温度を維持できなかった。また、夏場など気温が高い場合には、車室内の温度上昇に伴い、冷風を得るためにアイドルストップ中のエンジンを早期に再始動させ、エアコンサイクルを作動させることとなり、アイドルストップの効果を十分に発揮できないことがあった。

 今回開発したCSエバポレーター搭載のエアコンシステムは、アイドルストップ中の車室内の温度上昇を抑制するとともに、エアコン作動に伴うエンジン再始動までの時間を長く保つことができるため、快適性能を維持しつつ車両の燃費の向上にも貢献することができる。

 なお、同製品は、スズキより9月6日に発売された新型「ワゴンR」に搭載されている。

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